「こっちだよ、早く!」

「そんなに走ったら転ぶんじゃないのか……全く」


少し呆れながらも、ちゃんとあたしのあとを追ってきてくれる。
それが、なんだか嬉しかった。


――数日前、辺り一面に綺麗な花が咲いている場所がある、と、
彼女から聞かされていた。
それで、そこに一緒に行ってみたくなって、今日誘ってやってきたわけなのだ。







「もう少し落ち着いたらどうだ。
 転んで怪我をしては、皆に心配されるんじゃないのか」


口調は強い感じだけど…
言っていることは、ただ、あたしを心配してくれているだけ。

だからあたしは、素直に歩調を緩めた。







「これでいい?」

「あ、ああ…そうだな」


いつもなら、もうちょっとだけ反論するところ。
けどそんなこともなく素直に従ったからか、少し驚きながら頷いてくれた。













「…手を貸せ」

「え?」


不思議に思いながらも、先ほどと同じように
素直に言われた通りにする。
すると、あたしが差し出した右手を、左手で取った。






「君は走っていなくても危なっかしいからな」


念のためだ、と言いながら、手をぎゅっと握ってくれた。





















「……ありがとう」


(そう言えば、「泣きそうな顔をして言わないでくれ」と返された。)



















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忍人ですよ、忍人!
まじ好きすぎる。こればっか言っていますが、まじで。
まじで忍人、好きすぎる。

メイン(風早)以外で真ED的なものがあるとか、
まじその時点でこの人、特別扱いですよ。すごくね?(何