「ねーねー、先生!見て見て!」
そう言いながら、また何か見慣れないものを手にして
こちらに駆け寄ってくる。
その姿は少しだけ幼く見せる気がするけれど、
そんなところも好きだと思ってしまう。
「ちゃんと見てあげるから、廊下は走らないようにね」
「あ、そっか…ごめんちゃい〜」
走っていたのは、無意識だったようだ。
あたしが注意すると、しゅんとなって謝ってきた。
「解ればよろしい!
それで、何を見せてくれるのかな?」
「あ、うん!
これ、さっき出来上がったばっかの新作!!」
そう言いながら、また自分で発明したらしいものを差し出す。
「なんか、すごく綺麗だね……」
いつもの発明とは、少し雰囲気が違う気がした。
「これは、先生のために作ったのだ!」
「あたしの?」
「うむ!」
頷いた彼は、その発明品についていたスイッチを押した。
すると、ぱあっと光があふれてきて、何かが浮かび上がる。
これは……
「みんなが映ってる……」
光の中に浮かび上がる、みんなの姿。
彼女や、先生方の姿もある。
けど、それだけじゃない。
そこに映っているみんなは、笑ったり、怒ったり…
色々な表情を見せて、まさにここで生きているかのようだった。
「すごい……」
どうやって作ったんだろう、これ……。
あたしがそんな風に感心していると、
満足そうにした彼が言う。
「これだったら、先生もいつも寂しくないよね!」
「あ、……」
そうか…
あたしのために、作ってくれたんだ……。
「ありがとう……」
「へへっ、どういたしまして!!」
お礼を言うと、照れたように笑った。
大丈夫、あたしは寂しくないよ。
(だって君が、こうしていつも元気をくれる。)
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天羽です!
ハチャメチャな子だけど、そーゆーのも含めて
生徒会組は可愛がってんだろーなーと思います^^
まじ会長がお父さんすぎて和むよ。