「おはよー!」
「……おはよう」
朝、教室に入ってきた彼女に、
あたしはいつものように挨拶をした。
そして彼女も、いつものように不機嫌丸出しで答える。
「もー、どうしていつも眉間にしわ寄せてるの?」
「あんたがうるさいからでしょうが」
そんなことを言いつつも、ちゃんとあたしの話を聞いてくれる。
本当は、優しいひとなのだ。
あたしは知っている。
「ね、今日の放課後って、空いてる?」
「今日?
(確か塾のほうは急きょ休みになったから……)
別に空いてはいるけど」
それがどうしたのよ、と、引き続き不機嫌そうに言う。
「うん、一緒にお買いもの行かないかなってさ!」
「買い物?
そんなの一人で行きなさいよ」
あんた一人でどこでも行っちゃうじゃない。
「確かに一人でも平気で遠出してるけど……
でも、今日はダメなの!」
あなたが、一緒でなきゃ。
「なんでよ」
今日は、大切なあなたが生まれた日だから。
一緒に過ごして、お祝いさせてほしい。
「なっ……なんで知ってるのよ、全く」
「あたしの情報収集力をなめちゃダメだよ〜」
「よく言うわ」
呆れながらも、少し笑ってくれた。
「一緒に、行ってくれるんだよね?」
少し笑ってくれたあと、いつも彼女は承諾してくれるから。
だからあたしは、言い切った。
「しょうがないから行ってあげるわよ、買い物」
ありがとう。
「楽しみだね!」
大切な、大切な、あたしの親友。
あなたはそう呼ぶことを照れくさがるかもしれないけれど、事実だから。
大切なあなたの生まれた日を、お祝いさせてください。
できれば、これからも、ずっと。
ずっとトモダチでいようね
(面と向かって言ったら、あなたはまた照れるのかな。)
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ブログ掲載SSの再録でした。
出雲の誕生日祝いに書いたものです。
こちらも当たり前ですが初書き。
でも青エクの中で出雲は好きキャラの上位にいます。
性格キツいところもあるけれど、
変なしがらみとか全然気にせず進むところが好きです。
そういう人に救われる誰かが居るというのは、素敵ですね。