「ナルト!」


          「ん?」


          よーし、今日こそ言うぞ……!





          「どうしたってばよ?」

          「あ、あの、ええと……」


          で、でも、なんて切り出せばいいんだ……!?


          ……よし、ここは少し考えをまとめよう。

          突然誘っても意味解んない気がするし。
          でも、遠回しに言ってもなんか理解してもらえないような……


          ……って、おい!
          考えをまとめるどころか、だんだんこんがらがってないか!?



          あたしのそんな心中を理解できるはずもなく、
          目の前に居るナルトは不思議そうな顔をしている。










          「なんかよく解んねぇけど、用がないなら行くからなー!」

          「え、ちょっ……!」


          あたしの制止も聞かず、「じゃあなー!」と言い残して
          ナルトは走り去ってしまった。







          「え、ええーー……」


          今日も失敗のようです、お姉さま方。




















          「「誰が『お姉さま方』よ」」


          今朝のナルトとのやり取りを報告したところ、
          サクラといのにぴしゃりとそう言われてしまう。

          てか、ほんと、この二人なんだかんだで息ぴったりだよね……。







          「あんた、昨日も一昨日もその前も……
           ここのところ毎日同じやり取りしてるのよ?」

          「え、ええー……そうだっけ」

          「とぼけたって無駄だっての」


          いや、とぼけてないです。
          断じてそんなことは。

          でも、ほんとに、覚えてないってゆうか……
          必死すぎて記憶飛んでる?ような……。










          「とにかく、次はきちんと誘いなさいよ?」

          「今回ばかりはサクラに同意するわ。
           もう毎回同じ内容聞くの飽きたから」

          「ひどっ!」


          飽きたって、ちょっと!サクラもうなずいてるし!
          人の恋をなんだと思ってんの!

          ……でも実際に言い返すと後が怖いので、心の中だけで叫んでおく。





          「わ、解ったよ……
           今度こそ、ちゃんと誘う!」

          「そうよ、その意気よ」

          「まあ、頑張りな」


          善は急げ、今から行ってきます!

          あたしは二人にそれだけ言って、その場を立ち去った。










          「……さてと。じゃあ行くわよ、サクラ」

          「尾行ね……OK!」





















          「……あ、居た居た。あそこ」

          「たった今ナルトに会ったところみたいね」














          「あ、あの、ええと……」


          ええい、女は度胸よ!

          ……と、サクラやいのなら言うはず!










          「あ、あの、ナルト!
           
あたしと一緒に修行してください!!










          「「…………え?」」















          「おう、もちろんだってばよ!」

          「あ、ありがとう!嬉しい!」















          「『誘う』って、修行にってことだったの!?」

          「そこは普通デートでしょ!?意味わかんない!!」



















































やっと言えました!






(……え?デート? そんなの恐れ多いよ!)