「映画みたいな恋をしたい」
そんなことを私が突然言ったからか、 隣に居た彼はものすごく不思議そうな顔をした。
「映画みたいな、って……なんかすげーラブロマンス的な?」
「ううん、そうじゃなくて」
私の想像するものと、彼が想像したものは別のものだろう。
そう思いながら、私は少し補足を加えていく。
「そんな、ベタベタなものじゃなくて」
すごく、自然な感じで。
「友情の先にあるような、」
そんな、恋愛。
そう言った私の言葉を、彼がちゃんと理解してくれたのかは謎だけど。
「お前が望むなら、銀さんが叶えてやるよ」
そう言ってくれただけで、私は満足なんだ。
「銀ちゃん、大好き!」
「知ってるよ」
本当は、映画みたいな恋なんていらないよ。 ただ、あなたとこうしていれば、いいの。
映画みたいな恋
(でも、やっぱり憧れてしまうね)