〜真ん中の扉〜










          「一体なんだ、ここは」

          「俺が知るかよ」



          扉を開けたとたん喧嘩腰になる二人。
          そんなとき、タイミングよくが入ってきた。















          「ちょっと二人とも、何やってるの!」



          そう言いながら、は二人の間に割って入った。
          に言われてしまっては、と心の中で思った二人であった……





          …………が。















          「だいたい二人は、いっつもそうなんだよね!
           顔を合わせればなんか喧嘩に発展しちゃってさ、
           あたしだって出来れば二人とも個別で打ち合わせしたいけど
           いっつも同じ日じゃないと予定が合わないしさ!!」



          いつの間にかが不満を……
          と言うより、による説教が始まっていた。










          「二人とも売れっ子っていうことをもっと自覚してほしいよ!
           ただでさえ忙しいのに、こんな喧嘩ばっかじゃ
           全然仕事も進まないでしょ!?」



          はけっこう頑固だから、こうなったら彼女の気が済むまで説教を聞いているしかない。
          そう思ったイサトは、諦めてそのまま黙っていた。





          一方隣に居る和仁は何か言い返そうとしていたが、
          の勢いに圧倒されて結局何も言えていない。










          そしての説教は、それから30分くらい続いた……。



































          「……っと、思った以上にしゃべっちゃったかな」



          十分しゃべっていた、と思った二人であったが、
          これ以上彼女の逆鱗に触れてはいけないと、口には出さないでおいた。















          「じゃあ、とりあえず……今から出掛けるよ!」

          「え、出掛けるのか?」



          突然の彼女の言葉に戸惑ったイサトは、思わず聞き返していた。
          和仁の方は何も言わないが、怪訝そうな顔をしている。










          「そうそう、出掛けるの。
           どうせここに閉じこもってたって、いい案も浮かばないだろうし」



          まあ、確かにの言うことも一理ある。
          そもそも自分にこの仕事が向いているとも思えないし、
          一日中部屋に閉じこもるのも嫌だからな。





          そう思ったイサトは、特に反対もせずに従うことにした。















          「ま、待て!
           まさか、私も一緒に行くのか?」



          出掛ける気・満々のに向かって、
          珍しく焦っている和仁がそう声を掛ける。










          「え? 当たり前ですよ、和仁親王。
           ねえ、イサトくん?」

          「ああ、まあ……今の流れだとそうなるよな」

          「なっ……」



          何を今さら、と言いたげなに、和仁は言葉をつまらせた。















          「だって時朝さんの話じゃ最近引きこもってるらしいし、
           和仁親王もたまには出掛けた方がいいですよ」

          「なっ……時朝のやつ、余計なことを……!」



          和仁にとって、の言葉より時朝が自分の情報を漏らしたことの方が気に食わないらしい。
          思わずそんなことを口にしていた。










          「ほら、さっさと行きましょう!」

          「お、おい、引っ張るな!」



          和仁の言葉など気にすることもなく、は彼をぐいぐい引っ張ってゆく。
          その後ろから、イサトも二人の後を追う。















          「そもそも、何故私がお前たちのような下賤の者どもと
           出掛けなければならないのだ!」

          「え?それはあたしが二人と一緒に出掛けたいからですよ」

          「な、なんだと……?」



          再び何を今さらと言いたげなが、さらっと答える。










          「というわけだから、何言っても一緒に出掛けますからね!
           イサトくん、和仁親王引っ張るの手伝って!」

          「ああ、解った」



          そう言ったの言葉に、素直に従うイサト。

















          「って、おい!お前まで何をしている!」

          「だってに言われたしさ。
           こいつ結構頑固だから、お前ももういい加減諦めた方がいいぜ」

          「くっ……」



          悔しそうにする和仁であったが、それ以上は何も言わなくなった。
          どうやらが頑固であることは、彼も肌で感じ取ったようである。




















          「三人で出掛けるなんて、ほんと楽しみだね!
           まずは、何処に行こっか?」



          振り返り、満面の笑みでそう言った
          そんな彼女に向かって、二人は同時に言った。














          「「お前の行きたいところでいい」」








































七月生まれへの指令:作家になりきれ





(結局お前もには甘いよな)


(う、うるさい!だいたい全く仕事してないぞ!いいのか!?)








































          ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

            遙か十周年記念企画、七月のイサトくん&和仁親王Ver.でした!いかがでしたか?
            イサトくんは2で二番目に好きですからね!
            ほんと、素で格好いいよねイサトくんって。
            和仁親王も何気に好きです。見た目が好みv
            2連載で関わっていければいいんですがね…。
            今回の振り回される和仁親王、個人的に好きです☆

            2キャラの短編もどんどん書きたいです!
            色々ネタはありそうなので、時間作って書いていこうかと^^

            とにかく、最後までお付き合い頂き、ありがとございました!
            人数が多いので短いですが、お楽しみ頂ければ幸いです^^
            宜しければ別Ver.もご覧くださいませ!

            →遙か十周年記念企画トップへ