〜真ん中の扉〜
「……っと、ここが収録するところか?」
真ん中の扉を開けた将臣は、とある建物の部屋の中におり、
管理人の話から考えて、ここが収録スタジオであると予想した。
「とりあえず、を捜せってことかよ」
この部屋には、自分以外は誰も居ない。
おそらくは一時的に待機する部屋であろうが、
が居ないとなると、まずは彼女を捜さなくてはならない。
管理人の説明を思い出しながらそういった結論に至った将臣は、
とにかく部屋を出ようとドアに手を開けた……
…………が。
がんっ
「ぎゃっ!」
ドアを開けたものの、何かにぶつかって途中までしか開けなかった。
そして、よく見るとその「何か」というのが……
「じゃねぇか」
そう、これから捜そうとしていただったのだ。
どうやら将臣が開けたドアはに思いっきりぶつかったらしく、
彼女は痛そうにおでこをおさえている。
「悪りぃな、大丈夫か?」
「将臣くん、あんま謝られてる感じがしないんだけど……」
「そんなことねぇよ」
はははと笑いながら答える将臣を、じと目で見る。
だが、そんなの目線もお構いなしの将臣である。
「コブにはなってねぇみたいだけど、少し赤くなってるな」
「ええっ!大丈夫かな!?」
将臣の言葉に少々慌てる。
だが、そんな彼女に対し再び将臣は笑った。
「しばらくほっとけば平気だろ」
「でも!」
「心配すんなよ、治らなかったら責任取ってやるから」
「ええっ!?」
将臣の言葉に驚きを隠せないであったが、当の将臣はけろっとしている。
そのためか、はそれ以上つっこめずにいた。
「と、とにかく、これからラジオの収録本番だから、
望美ちゃんや譲たちが早く来いってさ」
「んじゃ、行くか」
「うん」
そうして将臣は、と共に望美たちの待つ部屋へと向かった。
あれから収録場所に着いた将臣は、と共に収録に入るスタンバイをしていた。
「残り10秒からいくからね、将臣くん、さん」
「OK」
「了解!」
望美の声にしっかり答える二人。
「よろしくね、将臣くん」
「ああ」
「本番いきます!
10、9、8、7、6……」
望美のカウントダウンが始まる。
「5、4、3、2、1……!」
譲の合図をうけて、オープニングの音楽が流れた。
そして、二度目の合図でと将臣がしゃべり始める。
「はい、ラジオをお聴きの皆さん、こんばんは!
本日も始まりました、遙かラジオ!
パーソナリティを務めますのは、わたくし・と、」
「有川将臣だ」
「今日もこの二人でお送りしていきますので」
「よろしくな」
将臣にとってはぶっつけ本番だというのに、
適度に台本を見ながらそつなくパーソナリティをこなしていく。
そんな将臣を見て、相変わらず完璧だな、とはこっそり心の中で思っていた。
「では、さっそくお便りのコーナーいってみましょう!
まずはRN(ラジオネーム)『しげ』さんから。
還内府殿と様は、どのようなご関係なのでしょうか。
平家の者、皆が常々気になっておりますので
よろしければお教えくださいませ……
…………って、ええっ!?」
思ってもみなかった質問に、焦りを隠せない。
そんな彼女とは裏腹に、けろっとした様子の将臣が口を開いた。
「は俺のものだから、手出しすんなよ?」
「ちょ、将臣くん!?」
将臣の回答に慌てまくる。
だが、将臣はまたはははと笑い飛ばすだけであった。
「…………先輩、いいんですか?
さんはリスナーに大人気だから、きっと反響がすごいですよ」
「大丈夫だよ、譲くん。
将臣くんは後で血祭りにあげとくから」
「えっ!?
(とゆうか、質問してきた人ってもしかして……?)」
八月生まれへの指令:ラジオDJになりきれ
(せっかくなんだから アピールしとかないとな)
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遙か十周年記念企画、八月の将臣くんVer.でした!いかがでしたか?
もう将臣くんは格好よすぎですよね。
このくらい大胆なことやってほしい!
やっぱ一人だけ敵ってとこがミソですよね〜。
ほんと、将臣くんルートは切なすぎます。
一緒に旅しては離れ、離れてはまた一緒に旅をして。
その繰り返しがもどかしかった。
最後はラジオの中身まで入ってみましたよ!
生放送な設定なので、望美ちゃんも収録を中断できず……
あとで将臣くんをシメる気、満々です(笑)
とにかく、最後までお付き合い頂き、ありがとございました!
人数が多いので短いですが、お楽しみ頂ければ幸いです^^
宜しければ別Ver.もご覧くださいませ!
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