「はぁ〜、もうすぐテストね〜〜」

          「うん」

          「さすがにそろそろ勉強しないと……
           は、今日はすぐ帰る?」

          「うーん……」


          そうだなぁ……







          「今日は、教室に残って勉強していくね」

          「OK! 
          あたしは留守番しなきゃだから、帰って家で勉強するわ」

          「うん」

          「じゃ、また明日ね」

          「ばいばい」


          さてと……





          「頑張らなきゃね……」


          ガラッ






          「……!」







          「あ、も居残りしてくのか?」

          「えっ、あ、うん! もしかして、有川くんも?」

          「ああ、もうすぐテストだしな」


          そっか、有川くんも居残りしてくんだ……

          嬉しいかも……。















          「? どうかしたのか?」

          「あ、ううん! なんでもないよ!」


          びっくりした……!


          と、とにかく……
          いつまでも浮かれてる訳にはいかないね。

          テスト勉強に集中しないと!







          「まずは数学からかな……」

























          「うーん……」


          テスト範囲のところの問題を解いてみたけど、
          やっぱり解らないところがある……。

          ……職員室に聞きにいこうかな?



          ……あ! 
          そうだ、有川くんに聞いてみようか……




          で、でも、迷惑かもしれないよね……
          うーん、どうしよう……。










          「どこか解らないのか?」

          「えっ……?」

          「さっきからずっと悩んでるみたいだったから」

          「あ、えっと……」


          じゃあ、さっきから見られてたのかな?
          は、恥ずかしい……。

          ……で、でも、チャンスかもしれない!
          思い切って聞いてみよう……!






          「あ、あの……ここが解らなくて」

          「どれどれ? ……あぁ、ここか」


          わっ、有川くんが隣に座った……!!

          ……って、そうじゃないよ!






          「ここは結構ややこしいんだよな……
           まず、代入するところが間違いやすくて、」

          「う、うん」

          「たぶん、はここで代入の仕方を間違えてる」

          「あ、そっか……」

          「それで…………」




















          「…………と、こうすれば解けるんだ」

          「ほんとだぁ……すごい!」


          あれから結局、
          解らないところを全て、有川くんが教えてくれました。





          「俺なんかの説明で理解できたの方がすごいよ」

          「そんなことないよ!
           有川くんの説明、すごく解りやすかったもの」


          そうじゃなかったら、未だに解ってないだろうし……





          「ありがとう、有川くん」

          「ああ」









          ピーンポーンパーンポーン




          『まもなく、下校時間となります。
           まだ校舎に残っている生徒は、すみやかに下校しましょう』




          あ、いけない!











          「もうそんな時間か……」

          「ごめんなさい、有川くんの勉強時間、割いちゃって……」

          「いや、気にしなくていいよ」

          「で、でも……」


          邪魔しちゃったのは確かだし……






          「本当に気にしないでくれよ」

          「う、うん……ありがとう、有川くん!」

          「……! あ、ああ……」


          さてと…………







          「私、ちょっと用があるから職員室に行ってくるね」

          「……ああ」


          ガラッ……










          「…………参ったな。
           (さっきの顔は反則だよ、…………)」
























          よし、用も済んだし早く帰らなきゃね。


          ガラッ





          「……あ、お帰り、

          「あ、えと、うん……」


          って、有川くん!?





          「まだ帰ってなかったの……?」


          私が職員室に行ってから、10分くらいは経ってるはず……。





          「のこと、待ってたんだ」

          「私を……?」

          「ああ。もう暗いから送ってくよ」

          「えっ……」


          すごく嬉しい……
          けど、いいのかな……?





          「あ、あの……でも大変じゃない……?」

          「大丈夫だよ」


          そ、か……じゃあ…………





          「じゃあ……お願いするね」

          「ああ。それじゃ、帰るか」

          「うん!」


          ラッキーだったなぁ……!

























          「じゃあ、は妹と二人姉妹なんだな」

          「うん! 有川くんは確か、お兄さんがいるんだよね……?」


          前に学校でしゃべってたのを、見たような……。





          「ああ、俺は兄さんと二人なんだ」

          「お兄さんかぁ……なんだか憧れちゃうな」

          「そうか?」

          「うん」


          女兄弟だけだし、自分が上だから、っていうのもあるしなぁ……。





          「だったら、うちの兄さんをあげるよ」

          「えっ?」

          「何かと大変なんだ……」


          そうなんだ……。







          「で、でも、すごく優しそうなお兄さんじゃない?」

          「……にはそう見えるのか?」

          「う、うん、なんとなく……」

          「…………」


          そう、それに……





          「それに、有川くんのお兄さんだもの、きっと優しい人だよ」

          「え……?」

          「有川くんはすごく優しいし……
           そのお兄さんだから、優しい人だと思う」


          きっと、そうだよね。















          「……ありがとう」

          「え…………?」


          えーと……





          「わ、私、何かお礼を言われるようなこと言ったかな……?」

          「…………いや、気にしないでくれ」

          「……??」








          「(がこういう人だから……きっと俺は…………)」










          なんだろう……?







          「……あ」

          「どうかしたのか?」

          「あ、あの、私の家、あそこなの」


          いつの間にか着いちゃった……。






          「あ、そうか」

          「あの……送ってくれてありがとう、有川くん」

          「いや、大したことしてないよ」


          そんなことないのにな……。





          「じゃあ、また明日な」

          「うん……またね」



















          「…………ふふっ」


          今日はすごくいい日だったよね♪
























君といるだけで


(僕は笑顔になれる)
































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    譲夢です!いかがだったでしょうか?
    譲も好きなんですよね〜! てか有川兄弟、最高だ!

    有川兄弟がお相手なのもいいけど、彼らの妹設定も
    絶対面白いですよねぇ(^-^)