輪廻-未来篇-
前世の私たち……と沖田総悟は、
廻り廻ってこの現世に生まれつき再び出会った。
今の名前も“” “沖田総悟”
1台のパトカーがサイレンを鳴らしながら、
その場を去っていく。
あれから完全に犯人を気絶させ、今度こそ逮捕に成功した。
私たちがあんまり出てこないもんだから、
みんなが心配してくれてたみたい。
「ったく……
お前ら、無茶するところは昔と変わってねェな」
「え……?」
昔って言ったって……
ここに勤め始めて私はたった2年、
総悟だって1年も経ってないのに。
「まァ、お前らならやれると思ってたがな……
いつもいいコンビネーションを見せてくれてたしよ」
「土方さん、それは……」
どういうことですか……?
「なんでィ、土方さんも記憶があるんですかィ」
「まァな」
「えっ!?」
「あァ、ついでに言うと「おーい!!」
「あっ、近藤さん!」
警視総監である近藤さんも、現場まで駆けつけてくれたようだ。
別のパトカーから降りて、こちらに走ってきていた。
「報告が遅いから心配しちゃったじゃないかァ!」
「す、すみません」
「まったく、昔からムチャクチャやりやがって
俺の気持ちとか考えたことあるのかコノヤロー!」
「ちょっ、近藤さん、昔って……」
まさか……
まさか……!?
「何言ってるんだ、ちゃん。
昔っつたら真選組やってた頃のことだろ?」
えええェェェェェ!?!?!?
「近藤さんも記憶が……!?」
「おう、ちゃんと覚えてるぞ〜。
特に総悟とちゃんのハチャメチャっぷりは」
「近藤さんもでしたかィ」
それじゃあ……もしかして……
「俺も覚えてますよ」
「山崎くん!」
「俺もです」
「俺も!」
みんな次々に言った。
『覚えている』、と。
「そう、だったんだ」
「みんなで言わないようにしてたんだよ。
ちゃんが、すごく悲しそうな顔してたから」
「総悟が転勤してきた時なんか、死にそうな顔してたしな」
「え……」
意識はしてなかったけど……。
「だから昔は昔、今は今って割り切ることにしたんだ」
「ちゃんにとって悲しい記憶を、
今さら掘り起こすのもアレだしなァ」
そっか……
みんな、ずっと……知ってたんだね。
「俺ものためにと、そうしてたんでィ」
「総悟……」
「あのとき、俺たちは全滅しちまったけど、
今、またここで逢えた」
だから、。
「今を生きなせェ。
過去に囚われる生活とはオサラバだ」
「……!」
「それに、前世の記憶すべてが悲しいワケじゃあねェだろィ?」
そうだ、そうだよね……
「私、ずっと過去のあのときに囚われてたんだね。
楽しい思い出もあったはずなのに、忘れてた」
私は、本当は……
「本当はこの運命を嫌悪するんじゃなくて、
感謝すべきだったんだ」
再び私たちを逢わせてくれた、この運命に。
「私……今、どんな顔してる?」
「涙でグシャグシャでさァ。でも……」
“いい顔してるぜィ?”
「うん…………」
だって、ずっと抱えていた悲しみに別れを告げて、
楽しかったことを思い出せたから。
私は、ここからまた……
みんなと一緒に歩いていける。
「じゃあ、みんな署に戻るぞ!」
「ハイ、局長!」
「っておいィィィ!
『局長』って思いっきり過去引きずってんじゃん!!」
「あははっ」
なんだか久しぶりに、ちゃんと笑った気がした。
「」
「ん?」
「また『沖田』になるつもりはないかィ?」
「えっ……」
それって……
「、……結婚しよう」
「っ……はい……」
なんとかそれだけ返した私は、ただただ涙を流すのだった。
総悟……
今度はもっと永いときを、一緒に生きようね。
そして、いつか人生を終えてしまったとしても……
また、永い永いときを経て、遠い未来で逢おうね。
約束だよ。
輪廻
(悲しいことは もう繰り返さないよ)
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当初かなり気合を入れて書いた「輪廻」も修正しました。
ご都合主義・歴史を繰り返すネタが大好きなので、
大好きなもの詰め込んだ感じです。
ゆえに、ぶっ飛んでいます。
でも気合を入れただけあってお気に入りではあります。
銃弾を刀で弾き飛ばせるのかどうか、
それだけはちょっと心配ですが……。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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