拾壱話:センチメンタルの意味が未だにわからない、誰か教えてくれねェかな
「……」
どうもー、っつー者っスー。(やる気、無
今は縁側でごろごろしてるんだよ、眠いから。
「それにしても…」
はすげぇ奴だと改めて思う。
前に総悟くんに『あの子は私と違って弱い』って言ったけど、それは違う。
『友達よりも好きな男を取る』
私はの言葉を予想して言ったんだけど、
は自分で実際にそう思って言ったんだ。
そんなに、はっきりと、友情を捨てられるのだろうか。
「〜、何してるんでィ」
「総悟くん…」
あの子は総悟くんのことが好きだったはずだ。
いつものあの子なら、総悟くんにベッタリになるはず、
だって目の前に本人がいたんだから。
でも、あの子はそれを拒否した。
ついこの間までだったらあり得ないこと。
「…?」
「……」
『桂さんのこと、好きになったの』
別に、それを聞いて『テメェ横取りする気か、あぁ?』
とか全然思わなかった。私、桂さんのことが…
好きなはずなのに。(でも、その『好き』って一体…)
「…何か悩み事ですかィ?」
桂さんよりも、この人たちが大切ってこと…だよね。
「…総悟くん」
「はい」
一応、言っておこうか。
「この前、池田屋で…私が話してた子、いたでしょ?」
「ああ…なんか、いましたねィ」
「その子が…私の探してた親友なんだ」
「!」
は私の親友。
でも、今は攘夷志士。
真選組隊士の私とは、敵となる者。
「聞こえたかもしれないけど…
あの子、私より桂さんを選んだんだ」
「…確かにそんな風に聞こえた気がしまさァ」
やっぱりな…ってことは土方さんにも聞こえたかな。
「ちょっと微妙な心境だ」
「淋しいんですかィ?」
「いや…」
ちょっと違うかな。
「自分に素直になれるあの子…
が羨ましい」
「は自分に素直じゃないんですかィ」
「おうよ」
だから、を取り返したいとは思ってても強がって逃がした。
私はダメな人間だ。
「なんとも言えませんが…」
「?」
「俺ァ、も充分素直だと思いますぜィ」
「何を根拠に」
「上司の土方さんに普通にキレるからでさァ」
敬ってない、ってことか…
まぁ、確かにな。(ってかキミもだよね…?)
「はらしく素直になればいいんでさァ。
その『親友』と同じようにする必要なんてないんですぜ」
「総悟くん…」
そうか、そうだった。
私には私なりのやり方ってもんがあったはずだ。
「総悟くん、ありがとう」
「別に何もしてませんがねィ」
「謙遜なんて珍しいぞ」
よし、やってやる。
「私は欲張りだからどっちも取る、って言ったはずだ。
だから、どっちも取ってやる」
有言実行してやる。
「ってことで、私は頭を冷やすために散歩してくるね」
「わかりやした」
ホントにありがとう、総悟くん。
私はやっと答えを見つけられた気がした。
「…隠れてないで出てきたらどうですかィ、土方さん」
「……気づいてたのかよ」
「当たり前でさァ」
土方さんは、この間のとその親友…
って奴との会話を聴いていたんだ。
だから心配になって、俺との会話も隠れて聴いていた。
まったく、女々しい人でさァ。
「アイツ…ショック受けてたのか」
「親友が攘夷志士を続けることに、ですぜ」
「それで…もう、ホントに立ち直ったのか?」
土方さんは最近、とことん心配性になった。
それは、総てがらみだ。(相当惚れている)
「土方さんも見てやしたでしょう?もう心配ありませんて、アレは」
弱くなってたは、いつものに戻った。もう安心だ。
「…そうだな、もう平気そうな顔してやがった」
「とにかく、これ以上つらい目に遭わせないように
護ってやらなきゃあいけませんぜ」
「ああ…わかってる」
はっきり言って、土方さんと手を組むのは嫌だが仕方ない。
もし俺がのもとにいない時…いや、いてやることが出来ない時、
のことは土方さんに任せるしかないのだから。
「俺がいない時は…頼みますぜ、土方さん」
「総悟、お前……」
、お前のことは俺が護ってやりまさァ。
安心してくだせェ。
の話に真剣だった俺と土方さんは、
もう一人、そこにいたことに気づいてなかった。
「未来の奥さんも大変な思いしてんだな、
……」
「うーん…」
よう、私は…って何回あいさつする気だ、私よォォォ!!!
先程までのシリアスな雰囲気台無しだけど、ここで一つ、問題が。
私、銀魂の原作って1巻までしか読んでないんだよ。
それで、エリザベスが「ミンチにすんぞ」って言ったとこから読み始めた。
マジでェ?!どうすんの、ここから?!
何か事件とか起こったら、どう処理するわけコレェェェ!!!
「ただでさえ一般人なんだから、内容知ってないと危険すぎるよ…」
さて、どうしたものか…
「…あ!」
そういや私のもともと持ってたケータイあるじゃん。
真選組に入ってもらったのとは別に。
(勝手な外出が多いため、持たされた)
「もしかして、コレ…」
繋がんないかなぁ…。
ピッポッパッポ…
「なーんてな!んあワケあるか」
トゥルルルルル…
「って、おいィィィ!!繋がってるやないかァァァ!!!」
おいおい、マジかよ…。
ガチャ。
「もしもし、です」
出たし!!
「?!」
「あ、〜」
「ちょっ…聞きたいことがあるんだけど」
「いいよー。何?」
「銀魂って…これから、どうなるの?」
「え?」
なんかズルイかもしんないけど…
知らないと困る。もし、大切な人たちが危険にさらされたとき、護れないから。
「私…みんなを護りたい。
原作に反するかもしんないけど、大怪我とかしてほしくない」
原作に忠実にしようとしてるって言っても、みんなが怪我とかするなら別だ。
「…」
「その前に対処する。だからこの先の内容を教えて」
教えないっつっても無理やり聞いてやるからな。
「…わかった、教えるね」
「ありがと、」
「は頑固だからね、無理やりにでも聞くつもりだったんでしょ?」
「さすが親友」
「まぁね」
敵になっても私たちは親友なんだ。それは変わらない。
なんだか、少し安心してしまった。
「一気に伝えるのは難しいから、巻ごとに話すね」
「わかった」
「とりあえず今日は2巻の内容だけ教えておくから」
「うん」
また電話すればいいしな。
「…この先は、ちょっと大変かもしれないの」
「え…どういうこと?」
「実はね、……」
私はから2巻に相当する内容を教えてもらった。
それも、細かく。
大切な人たちを…護るために……。
♪♪♪ あとがき ♪♪♪
でいず おぶ ざ せんちめんたるをか〜けぬけ〜たい♪(何
ホントにセンチメンタルって、どーゆー意味ですか?
いまいち分からないんですけど…。
ま、いいや。それよりアレですよね。内容(え
ちゃんとちゃんは、敵同士になったけど
根本的には何も変わってないんですよ☆
そーゆー友情だったら、いいなって。
ねちねちしてなくてサッパリしすぎてもいない、そんな。