拾六話:やっぱり真選組ってムサいわ



















          「副長ォォォ!!」










          朝の会議の時間、例の『銀髪の侍』に近藤さんが負けたことで
          いつもよりみんなのテンションが高かった。










          「女にフラれるのはいつものことだが、」

          「喧嘩で負けたって信じられねーよ!!」

          「銀髪の侍ってのは何者なんだよ!!」

          「会議中にやかましーんだよ。
           あの近藤さんが負けるわけねーだろが、
           誰だ、くだらねェ噂たれ流してんのは」

          「沖田隊長とちゃんが!!」

          「二人してスピーカーでふれ回ってたぜ!!」










          やばっ、ばれてしまった…。










          ハイ、実は楽しそうだったので私も総悟くんに加勢したんだよね。
         (私が楽しそうとか面白そうとか思うことは、
          総悟くんがすることと、ほとんどかぶる)










          「俺は土方さんに聞きやした」(ニヤリ)

          「私は…銀髪が去った後、現場に居合わせました。
           ってか土方さんにも会ったし」

          「コイツらを信じた俺がバカだった…」

          「なんだよ、結局アンタが火種じゃねェか!!」

          「偉そうな顔してふざけんじゃないわよ!!」
 
          「って事は何?マジなのあの噂?!」










          ええ、マジですとも。だって見たしね。










          「うるせェェェぁぁ!!」










          そう叫びながら土方さんは机を蹴飛ばした。(お行儀、悪いよね)(え










          「会議中に私語した奴ァ切腹だ。
           俺が介錯してやる、山崎…まずはお前からだ」

          「え゛え゛え゛?!俺…何もしゃべってな…」

          「しゃべってんだろーが、現在進行形で」

          「ひどいですよ、土方さん!山崎さんは悪くないですよ!!」

          「ちゃん…!」(感動)










          完全なとばっちりだ!!










          「ほう…じゃあ誰が悪いんだ?」

          「え?えーっと…わ、私と総悟くん……?」(汗)

          「よく分かってるじゃねェか…」

          「切腹ですか?!そんなのごめんですよ!!
           もし土方さんが介錯したら通り魔として処理してもらいますからね!!」

          「誰が通り魔だァァァ!!!」










          まったく、怒りすぎだよ…本気でストレスでハゲますよ










          「ウィース…おお、いつになく白熱した会議だなァ」










          そのとき、ふすまが開いて誰かが入ってきた。










          「よ〜〜し、じゃあみんな、今日も元気に市中見回りにいこうか」










          顔を腫らした近藤さんだった。










          「ん?どーしたの?」










          なんとも言えない空気が流れていた…。(たぶん、みんな呆れてるんだよ)










          「ハァ…」










          土方さんなんか、ため息を…
          た、ため息を…?










          「きゃああぁぁぁ!!!vV」

          「なっなんだよ!!お前、またそれか?!」










          そういえば、この間(総悟くんのセクシー寝起きの時に)も
          叫んだかも。ってか叫んだよね。










          「土方さんのため息ついてる時の表情がセクシーで素敵!!vV」

          「オチもまたそれかァァァ!!!ってか毎回毎回、何考えてんだよ…///」

          「そうですねぇ…ここ最近は、総悟くんのアイマスク
           何処で売ってるのかな?って考えてます」

          「そんなことを言ってんじゃねェ!!!」

          「、これ欲しいんですかィ?」

          「うん、欲しい!!」










          めちゃくちゃ欲しい!!










          「じゃあ今度、何かの機会にプレゼントしますぜ」

          「ホント?!ありがとう、総悟くん大好き!!」

          「どういたしまして」










          やったぁ、アイマスク・ゲット?!ちょっ…マジで嬉しいんですけど!!!










          「『大好き』だって…」

          「『大好き』……」

          「ちゃん…」

          「……」(・大好きな人たちの集まり)

          「?」










          みんな、どうしたんだろ?










          「みんな落ち込んでるんでさァ」

          「なんで?」

          「それは土方さんに聞いてみるといいですぜィ」

          「ふーん?土方さん、なんでみんな落ち込んでるんですか?」

          「知るか…///」










          なんだ、知らないんじゃん…総悟くん、テキトーなこと言ったな!!(怒)










          「土方さんも素直じゃないですねィ」

          「うるせェよ…」

          「??」



































          「なんですって?斬る?!」

          「ああ、斬る」

          「例の銀髪の侍を、ですか…?」

          「ああ。真選組(うち)の面子ってのもあるが、
           あれ以来隊士どもが近藤さんの敵(かたき)とるって殺気立ってる」

          「まあ…確かに」










          そんなこと言って、ホントは土方さんが一番悔しいんじゃ…。










          「でけー事になる前に俺で始末する」

          「土方さんは二言目には『斬る』で困りまさァ」

          「知ってます?古来、暗殺で大事を成した人はいないんですよ〜」










          いたら怖いよ。どんだけ暗殺してたんだっ!!










          「暗殺じゃねェ、堂々と行って斬ってくる」

          「……」










          話をしながらも、土方さんは着々とみんなが貼り付けた
          張り紙をはがし総悟くんの持ってるバケツ?に入れていく。










          「そこまでせんでも、」










          あ、人差し指を立てる総悟くん、可愛い…




















          って、違うからァ!!










          「適当に銀髪頭の侍、見繕って連れ帰りゃ隊士たちも納得しますぜ」










          総悟くん、テキトーに解決するの好きだよね。
          …私もだけど。










          「ほら、これなんてどーです?
           ホラ、ちゃんと木刀もちな

          「構えも忘れないでね、おじいさん!」

          「ジーさん、その木刀でそいつらの頭かち割ってくれ」

          「土方さーん、パッと見さえないですが眼鏡とったらホラ、」

          「「武蔵じゃん!」」

          「何、その無駄なカッコよさ!!」










          土方さんのツッコミが炸裂(?)した。ナイス、ツッコミ!!(え










          「マジで殺る気ですかィ?
           銀髪って情報しかこっちにはないってのに」

          「そうだよね〜…」










          まぁ、私は知ってますが。(コラ










          「近藤さん負かすからにはタダ者じゃねェ。見ればすぐわかるさ」

          「そうですかねぇ…「おーい、兄ちゃん危ないよ〜」

          「!」

          「あ、木材が…」










          土方さんの上に…










          「!!うぉわァアアアァ!!」










          落ちてき…あ、寸前でよけた。
         (総悟くんが舌打ちをした気がした…)(汗)










          「あっ…危ねーだろーがァ!!」

          「だから危ねーっつったろ」

          「もっとテンションあげて言えや!わかるか!!」

          「うるせーな、他人からテンションのダメ出しまでされる
           覚えはねーよ」

          「あっ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」










          土方さん、人のセリフ(?)を遮らないでくださいよ。(おい










          「てめーは…池田屋の時の…」

          「?」

          「そぉか…そういやてめーも銀髪だったな」

          「…えーと君、誰?
           あ…もしかして多串君か?アララすっかり立派になっちゃって。
           なに?まだあの金魚デカくなってんの?」










          何の話?!(焦)










          「オーイ!!銀さん早くこっち頼むって」

          「はいよー。じゃ多串くん、俺仕事だから」

          「あっ、銀さんっ!!」

          「!!どーしたんだ、こんな所で。
           俺がいなくて淋しくなったか?可愛いなぁ」

          「いや、違うから。ってか、さっきからいたから」










          勝手に結論づけるの、やめぃ。










          「も仕事か?」

          「うん、そう。ちょっと人捜ししててね」

          「そうかぁ、のためなら手伝ってやりたいが、
           今は俺も仕事してんだよなァ」

          「仕事があるのはいい事だよ、一生懸命やりなさい」(命令

          「じゃあ結婚してくれる?」

          「ソレとコレとは話が別」










          まったく、すぐにその話に結びつけるんだから!!










          「話し込んじゃいましたよ、どーしやす多串君」

          「誰が多串君だ
           …あの野郎、わずか二、三話で人のこと忘れやがって」

          「実際、ここでは五話くらいですぜ」(え?!

          「総悟、ちょっと刀貸せ」

          「?」










          「じゃあ、しょうがねェから俺仕事に戻るわ」

          「ハイハイ、ちゃんと仕事しなよ?」

          「ハーイ」(棒読み)










          絶対やる気ないね、この人…。










          「あれ、土方さん…」








 

          はしご登ってるよ。










          「爆弾処理の次は屋根の修理か?
           節操のねェ野郎だ。一体何がしてーんだ、てめェは」

          「爆弾?!
           あ…お前あん時の」

          「やっと思い出したか」




















          「総悟くん!やっぱり土方さんは銀さんとバトる気なワケ?!」

          「まぁ、俺の刀持ってったしそうでしょうねェ」

          「どうすんの?!近藤さんを倒した相手だよ?
           きっと一筋縄じゃいかないよ!!」

          「そうですねィ…」

          「おぉ、総悟にちゃん」

          「「近藤さん!」」










          あ、ほっぺの腫れが引いてきた。(おい










          「あ、近藤さん!土方さんが…!」

          「まぁ落ち着けちゃん。
           ちょっと、こっちで観戦しようじゃないか」

          「観戦?」

          「いいですねィ…お手並み拝見といきやしょう」




















          「刃物プラプラふり回すんじゃねェェ!!」










          銀さんは斬る気満々の土方さんを蹴飛ばした。
          吹っ飛んだ土方さん…










          「フッ」










          と見せかけて、スキをついた土方さんは銀さんに斬りかかった。










          「うぉっ!!」










          「銀さん…!」










          銀さんが斬られちゃった…!
         (から聞いてたけど、落ち着いてられない!!)










          土方さんの『抜け!』という声に応じてか、
          銀さんが土方さんに渡された(総悟くんの)刀を抜いた。










          「命のやりとりといこうや!!
           うらアアアア!!」









               斬った!!










          「!!」










               かわされた!!斬られ…










          ザゥン!!



          カラン










          「はァい終了ォ。
           いだだ…おいハゲェェ!!俺ちょっと病院行ってくるわ!!」

          「待てェ!!
           …てめェ、情けでもかけたつもりか」

          「情けだァ?そんなもんお前にかける位ならご飯にかけるわ。
           喧嘩ってのはよォ、何か護るためにやるもんだろが。
           お前が真選組を護ろうとしたようによ」

          「…護るって…お前は何、護ったってんだ?」




















          「俺の武士道(ルール)だ。








 











           じゃーな」

           



















          「……」




















          「…フフ、面白ェ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」

          「やめとけ、お前でもキツいぞ総悟」

          「そうだよ、総悟くん…危ないよ」

          「それに、アイツは目の前で刀を合わせていても
           全然別のところで勝手に戦ってるよーな男なんだよ。
           浄も不浄も越えたところでな」




















          「ワリぃ、近藤さん。俺も負けちまったよ」




















          ……。




















          「土方さアアアァァァん!!!!!」

          「?!」

          「って、ちゃん!!
           こんな所から飛び降りたら危ないからァ!!」(焦)










          「おまっ…!何やってん「テメェこそ何やってんだ、バカ!!」(着地成功

          「ばっ…?!」

          「近藤さんをやった相手だから強いだろうって分かってただろーが!!
           それなのに無闇やたらに決闘始めんじゃねェ!!」

          「『斬る』っつったんだから決闘もするに決まってんだろがァ!!」

          「ホントはそれも反対だったんだ…」

          「お、おい…?」










          銀さん強いんだから…。










          「極悪な人だったら土方さんが殺(や)られてたかもしれないんですよ…?」

          「…そん時はそん時だ」

          「私はそんなの嫌ですよ…土方さんがいなくなったら淋しいです……」




















          大切な人を、誰一人として失いたくない。




















          「……」

          「うっ…土方さんのバカやろっ……」

          「わかった…わかったから泣くなよ……」










          泣いてない!!これはアレだよ…そう!
          汗!汗だよ、汗!!(言い過ぎ




















          「またいいとこ取りして…
           まずは土方を殺(や)る方が先ですかねィ

          「総悟……(めげるなよ、トシ……)」





















   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

ここの話、けっこう好きなんですよね!
なんか銀さんが土方さんと諭している感じで
いいと思いました!
近くで語り合っている近藤さんと総悟くんもGoodですv

土方さんは、少し無理をするところがありますよね…
あなたがいなくなったら哀しむ人がいること、
分かってほしいのです。
そんなことを伝えたいと思って書いた、今回のお話。