参拾話:ノリっていうのはときどき怖いもんで、
             いつの間にか30話とかなってますからコレ





















          「♪傷ーつーいーたー翼(はね)〜 休ませるぅ泉ぃ〜」










          どーも、です。今日は一人で市中の見回りしてます。










          「あの〜、すみません…」

          「はい…?」










          










          「あ、あなたはお通「しっ!」

          「あ…」

          「すみません、静かにしてください…」

          「あ、ハイ…ごめんね。
           それで、あなたアイドルのお通ちゃんだよね?」

          「うん、そうです」










          すごい、生で観ちゃった!
          (まァ、親父さん脱獄の回でちょっと観たけどさ…)










          「どうしたの?こんな所うろうろしてたら危ないよ」

          「行きたい所があるんですけど、場所がわからないんです。
           お巡りさん、ココご存知ですか?」

          「私もあんま地理には詳しくないんだけど…どれどれ?」










          私はお通ちゃんが持っていたメモを見せてもらった。










          「! 『万事屋銀ちゃん』、て…」










          普通に銀さんのとこじゃないかァァァ!!










          「ご存知なんですか?!」

          「う、うん…一人じゃ危険だろうから案内するよ」

          「ありがとうございます!!」










          そんなこんなで、お通ちゃんを万事屋まで案内することになった。










          「あ、ところでサインもらってもいい?」

          「いいですよ、道案内してくれたお礼に」

          「ありがとー!」










          記念に飾っておこう!(おい








































          ピンポーン










          「オッ、こんな状態でも身体には雑用係の習性が染みついてるネ」

          「ふぁい、新聞ならいりませ…










           あ、さ…










           !! おっ、お通ちゃん?!」










          「やっほー、新八くん」








































          「この知性のカケラもねー言いまわしはアンタのファンの仕業か?」

          「こんな手紙が事務所に何通も送られてくるの…。
           怖くて父ちゃんに相談したら、アンタならなんとかしてくれるって」

          「あの親父か…元気でやってんの?」

          「ウン、この話したらまた脱獄するって大騒ぎしてた…」

          「フン、そりゃ親父がバカやる前になんとかしなきゃな」










          お通ちゃんの話によると、いま付き合ってるGOEMON?と別れろっていう
          脅迫の手紙が事務所にたくさん送られてくるんだって。










          「それじゃ力になってくれるんだね」

          「だが犯人の目星つけるとしても、
           アンタのファン何人いるって話になってくるな…」

          「別れりゃいいじゃん!










           別れりゃ全て丸くおさまる話じゃん」

          「い…嫌だよそんなの、考えられない。
           あの人は芸能界で唯一私に優しくしてくれたんだから」

          「ケッ!男なんて女には皆、優しいもんなんだよ小娘が!!」

          「かっ、神楽ちゃん!キミ、歳幾つ?」(汗)










          なんで、そんな男女関係について詳しいの?!(焦)










          ガン!










          「い゛っ!!」

          「犯人がしぼれないなら、はりついて護るだけです。










           この志村新八、命に代えてもお通ちゃんを護ってみせる!!」

          「お」

          「復活した」

          「リボーンだね!(違
           新八くん、私も加勢するよ!!」










          〜♪










          ん?ケータイ?誰だよ〜、こんな楽しい(?!)時に。
          (は、画面を見ないでさっさと電話に出るクセがある)










          「はい、もしもしー?」

          『ですかィ?』

          「あ、総悟くん。どうしたの?」

          『なんか街で酔っ払いが暴れてるみたいなんでさァ。
           それで土方さんが、
          「が見回りしてるはずだから、に向かわせろ。
           こっちは忙しいからな」って言ってましたぜ』

          「は?!なんで私?!」

          『土方さんが要領悪いから、書類が片付かないんでさァ』

          『って総悟ォォォ!!
           明らかにテメーがサボったせいだろーがァァァ!!!』










          総悟くんと電話してるはずなのに、土方さんの声がめっちゃ聞こえた。
          (どんだけ声、張り上げてんだ)










          「…わかった、今から向かうから場所教えてくれる?」

          『報告によると、かぶき町の繁華街らしいですぜ』

          「マジでか。じゃあ行ってきまーす」

          『、無茶はしないでくだせェ』

          「私を誰だと思ってんの、総悟くん。酔っ払い如きにやられないよ、
           なんてったて副長の脳天直撃した女なんだから!!

          『、聞こえてんぞ!!
           てめっ今度はそーはいかないからなァァァ!!!










          総悟くんと電話してるはずなのに、土方さんに私の声がよく聞こえていた。
          (アンタ、何者だ)










          『土方さんがうるせーから切りやすぜィ』

          「そうだね、じゃ」

          『お前ら、いい加減にし』










          ガチャッ
          ツーツーツーツー…










          土方さんのセリフは強制終了された。(ワオ










          「…ごめん、新八くん。仕事が入っちゃった」

          「仕方ないですよ、気持ちだけでも嬉しいです」

          「じゃあ、頑張ってね!銀さんもしっかり仕事してね?」

          「おー」

          「(ホントに大丈夫か…?)あ、それとお通ちゃん」

          「ハイ」

          「ホント、気をつけてね?
           もし、みんなやられちゃったらこの番号に電話して!
           私のケータイだよ」










          私はお通ちゃんに一枚のメモを渡した。










          「すぐ電話できるように設定しとくといいんじゃないかな」

          「ありがとうございます、えーっと…」

          「あ、私は!真選組隊士なんだ」

          「寺門通です、よろしくお願いします」

          「うん!あ、敬語はいらないからね☆
           じゃ、みんな、またね〜!!」










          よし、さっさと酔っ払いを退治しちゃおう!!








































          「えーっと、確かこの辺りのはず…」

          「おう、姉ちゃん!俺のグチに付き合ってくれよォ〜」

          「離してください!!

          「!」










          アイツか…!!










          「こらーっ!そこのハゲェ!!女の子を離しなさい!!」

          「あー?!テメーに関係ねェーだろォ!!」

          「うるっせーなァ!!離せって言ってんだろーがよォ!!」

          「じゃあ代わりにアンタがグチに付き合ってくれんのかァァ?!」

          「誰がテメーなんかのグチに付き合うかボケェ!!
           それよかこっちの方がグチがあるわァァァ!!!










          なんか、これじゃラチがあかないな…










          「よし…」










          最後の手段だ!!
          (っつっても、あまり多くの手段を使っていないというか、
           ただ口喧嘩しただけ?)










          「はぁっ!」










          ドカッ!










          「ぐっ…!」










          ドサッ










          「これで、よし」










          …あ、いや斬ってないよ?峰打ちしただけだって。
          だって斬ったら効果音は『ザシュッ』でしょ?










          「あの、大丈夫でしたか?」

          「あ、ハイ…ありがとうございました」

          「いえいえ。なんかこの辺って危険ぽいから気をつけて」

          「はい、では失礼します」










          女の子はそう言って去っていった。










          「すげーや、姉ちゃん!!」

          「姉ちゃん、真選組なのか?!」

          「え?あ、ハイ」










          野次馬の人々が質問してきた。…つーか見てたんか。










          「あー、みなさんもお酒はほどほどに!
           意識が残る程度にしてくださいね!!」

          「そうだな、あんな峰打ちされたくないしな」

          「アレは非常用の対処法で、毎回やるワケじゃないですよ!」(汗)










          野次馬のみなさんに笑われてしまった…。
          (絶対、喧嘩っ早いって思われてるよ…)(実際、その通り










          「じゃあ、私はあの酔っ払い連れて屯所に戻ろうと思います」

          「パトカーも無いのに平気かい?」

          「ハイ、自分で歩かせますから」

          「え?でも気絶してるんじゃ…」

          「おらァ!!てめー起きやがれハゲェェ!!
           私に担いでもらおうなんてなァ、千億光年早えーんだよ

          「ヒィィィ!!スミマセン…!!!」










          そして酔っ払いは私におとなしく付いてきた。




















          「いや〜、すごかったなァあの姉ちゃん」

          「真選組って男だけかと思ってたぜ。あんな若い女の子もいたんだな」

          「それより剣の腕…アレは本物だ」

          「あ、お前そういやァ剣術道場が実家だったか」

          「あァ…あの娘(こ)、まだまだ荒削りだが才能があるのかもしれない」

          「なんかフワッってなったと思ったらもう相手の酔っ払い、
           倒れてたしなァ」

          「あれはさしずめ、戦場を華麗に舞う黒き蝶…『黒蝶(こくちょう)』と言ったところか…」

          「黒蝶か…ピッタリかもな」




















          私は、そのときの一件が
          自分の通り名を決めることになるなんて思ってもいなかった。








































          「ただいま戻りましたー!」

          「、どうでした?」

          「ばっちり酔っ払い捕まえてきたよ☆…おら、とっとと歩けハゲ」

          「ヒィィィ!!すっ、スミマセン…!!

          「……(、何したんですかィ…)」










          あ、なんか総悟くんの表情が凍り付いてるような…?
          いや、気のせいだよね。(違










          「おう、悪かったな。もう休んでいいぞ」

          「あ、土方さん。どうですか書類の方は」

          「…なんとか終わらせた」

          「そ、そうですか…お疲れ様です。
           女中さんに頼んでお茶もってきてもらいましょうか?」

          「そうだな」

          「じゃ、台所に行ってきますね」

          「あァ」




















          「…土方さん」

          「…なんだ、総悟」

          「わざとを休ませましたねィ…?」

          「まァな…」

          「土方さん…俺、初めて怖いと思う人物が出来やした」

          「…お前が『怖い』って思うんだったら、
           ほぼ100%の奴が『怖い』って思ってるだろーよ」

          「……」

          「……」








































          「ハイ、ちゃん。お茶よ」

          「ありがとうございます!ホントは自分でやった方がアレなんでしょうが、
           私、お茶をおいしく淹れられたことないんですよ」(汗)

          「まァ、加減が難しいからね。仕方ないわよ」

          「じゃあ土方さんに持っていきますね」

          「えぇ」










          〜♪










          「ん?はい、もしもし」

          「あ、あの…ちゃん…?」

          「その声は…お通ちゃん?!」

          「うん」










          すごい、アイドルから電話が…!!(そこかよ










          「脅迫状のこと、解決してもらったの」

          「そうなの?!良かったね!!」

          「うん!
           だから、心配してくれたちゃんにも報告しとこうと思って」

          「そうなんだー、わざわざありがとう」

          「ううん、こちらこそありがとう」

          「これからもお仕事、頑張ってね!」

          「うん!!」










          すごい、友達みたーいv










          「あ、真選組の屯所宛にサイン、送っておいたよ」

          「ホント?!そーいや、さっきもらい忘れたっけ…。ありがと!」

          「どういたしまして!じゃあ、またね」

          「うん、バイバーイ☆」










          ……。










          すごいよ、このトリップ!!お通ちゃんと友達みたいになっちゃった!!
          こんなトリップ、あんま無いよね!!!




















   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

はいはい、お通ちゃんが出てくる回でしたー!
ここの新八を見ると、こいつ結構強いのかなって思います。
いつも弱いイメージを付けられてるので、こうやって
ちゃんと活躍してくれると何やら嬉しいですね☆

お通ちゃんは可愛いので好きです!
ただ、あの語尾が気になるよね…。