参拾七話:来た来た来た来た来たァァ!!この話を待っていたの!!




















          「誰だ?」

          「…ククク、ヅラぁ。
           相変わらず幕吏から逃げまわってるよーだな」

          「ヅラじゃない、桂だ。なんで貴様がここにいる?
           幕府の追跡を逃れて京に身をひそめているときいたが」

          「祭りがあるってきいてよォ、
           いてもたってもいられなくなって来ちまったよ」

          「祭り好きも大概にするがいい。
           貴様は俺以上に幕府から嫌われているんだ。
 









           死ぬぞ」










          「よもや、天下の将軍様が参られる祭りに
           参加しないわけにはいくまい」

          「お前、何故それを?まさか…」

          「クク、てめーの考えているような
           だいそれたことをするつもりはねーよ。
           だがしかし面白ェだろうーな。










           祭りの最中、将軍の首が飛ぶようなことがあったら










           幕府も世の中もひっくり返るぜ」










          「……」

          「フフフ…ハハハハ……」




















          タッタッタッタッタ…!










          「か、桂さんっ!今のは…!」

          「…前に話したことがあったな?
           アレが以前、攘夷戦争のとき『鬼兵隊』という義勇軍を率いていた男…」

          「高杉…晋助……」










          とうとう来ちゃったかぁ……。










          「、無茶しないといいけど……」








































          「将軍にかすり傷一つでもつこうものなら、俺達全員の首が飛ぶぜ!
           そのへん心してかかれ」

          「はーいっ!」

          「……間違いなく攘夷派の浪士どもも動く。
           とにかくキナくせー野郎を見つけたら迷わずブった斬れ。
           俺が責任をとる」










          マジですか!?土方さん、すごい覚悟だなぁ……。
          (でも間違ってたらどうするんだろう…)(素朴な疑問










          「マジですかィ、土方さん…
           俺ァどーにも鼻が利かねーんで、
           侍見つけたらかたっぱしから叩き斬りまさァ。頼みますぜ」

          「オーイ、みんな。さっき言ったことはナシの方向で」










          ナシかよ!!










          「それからコイツはまだ未確認の情報なんだが、
           江戸にとんでもねェ野郎が来てるって情報があんだ」

          「とんでもねー奴?」

          「誰のことですか、土方さん??」

          「桂の野郎は最近おとなしくしてるし」










          そしてと一緒にイチャイチャしてるし(爆










          「以前料亭で会談をしていた幕吏十数人が
           皆殺しにされた事件があっただろう。あらぁ、奴の仕業よ。










           攘夷浪士の中でも最も過激で最も危険な男…










           高杉晋助のな」










          「!」










          高杉…晋助……








































          『!いくら日常にいろんなことがあって、
           忘れっぽくなっててもこれだけは忘れないでね』

          『何を?』

          『攘夷志士・高杉晋助は危険なの』

          『高杉…?』

          『お願いだから、この人には関わらないで。いくらでも…










 









           死ぬよ』



















          『!!』








































          そ、そっか…
          あのときが言ってた「高杉晋助」…
          ソイツが来てるかもしれないんだ。










          「頑張らなくちゃ…!」










          「…(……)」








































          「…近藤さん」

          「おう、どうした?トシ」

          「のことなんだが…」

          「なんだなんだ?ちゃんと上手くいってないのか?」

          「何の話だァァ!!///」










          「なんだ、違うの?」

          「…今回の祭りんときの警護」

          「うん」

          「も連れてくべき…なのか?」

          「……どういう意味だ?」

          「今回は…高い確率で高杉晋助もいる。
           そんな危険な場所にを連れていくのは…」










          「トシ」

          「…?」

          「ちゃんを信じてないのか?」

          「っ!だけどよ、近藤さん!
           は、この間までただの町娘だったんだ!
           それに、今だって…普通の…女の子、だろ……」










          「まァ、お前の気持ちも分かるぞ、トシ。
           だけどなァ、ちゃんの気持ちも考えてみろ」

          「……」

          「真選組総出で警護にあたるのに、
           ちゃんが自分だけ置いてかれたらどう思う?」

          「それは…」

          「ちゃんなァ、この間俺のところに報告に来たんだよ」










          『近藤さん、近藤さんっ!
           私、土方さんにちょっと上級なお仕事もらったんですよ!!」

          『ホントか〜?すごいじゃないか、ちゃん』

          『はいっ!私、信用してもらってるみたいですごく嬉しいです☆』










          「がそんなことを…」

          「なァ、トシ。
           だからちゃんも警護にあたらせようじゃないか」

          「……」

          「なァに、危なくなったら俺たちが守ってやればいい。
           …まァ、彼女にもそれなりに力がある。
           補佐程度だけしてやれば平気だろう。










           なァ、総悟?」

          「そういうことでさァ」

          「総悟、お前っ…いつからそこに…!」

          「最初から、ですぜ」










          「俺はを守る。命に代えても」

          「……」

          「土方さんは心配しすぎなんでさァ。
           そうやって、を閉じ込めてれば解決すると思ってるんですかィ?」

          「!」

          「は…
           きっと閉じ込めても勝手に脱走すると思いますがねィ」

          「ハハハ、総悟の言う通りだな!」




















          「…わーったよ」

          「?」










          「は…
  



















          ……俺が守る」





















          「…いや、俺が守るんで土方さんは攘夷浪士の相手でもしててくだせェ」

          「お前がやってろ!!」

          「嫌でさァ〜」

          「お前それでも真選組かァァ!!」




















          「ハハハ…
          (トシよ、信じることも大切なんだぞ?)」








































          「はァァ!!たァァァ!!」










          ビュンッ!ビュンッ!










          「考えなしに正面に入る…










           フリをして後ろに回りこむっ!










           そこで背後から斬りつける!さらにダメ押しで…










           斜め下に潜り込んで斬り上げる!!」










          ……。










          「…こんなもんかな」










          イメトレって案外難しいんだね…
          やっぱ私は頭脳派じゃないみたいだなァ。




















          ガラッ










          「!?」

          「一人で特訓とは、も熱心ですねィ」

          「そ、総悟くん…」

          「タオルと飲み物もってきましたぜ。どうぞ」

          「! ありがとう☆」










          わーい、喉かわいてたんだぁ〜♪










          「…」

          「ん??」

          「高杉は怖いですかィ?」

          「!」










          そうだな……










          「怖くない、って言ったら嘘になるのかな」

          「……」

          「でも私、頑張るよ!それにさ、仲間いっぱいいるもん。
           どうしても一人で出来ないときは、
           みんなが補佐してくれるんだよね…?」

          「!」

          「それが『仲間』でしょう?違うの……?」

          「いや…










           それが『仲間』だと思いますぜ」




















          「そうだよねっ!!」




















          私が真選組の仲間だって、みんなが認めてくれてるのかは
          実のところは分からないの。
          でもね、私はみんなのこと仲間だって思ってる。




















          「だから…」

          「?」

          「高杉だって他のよく分かんない奴だって、
           みんなで力を合わせながら倒してみせる!」

          「…らしいですねィ」

          「ありがとう☆」










          さて、本気で頑張らないとね!










          「まァ、これ以上やっても疲れが溜まるだけなんで
           もう休んだ方がいいと思いますがねィ」

          「そっか、そうだよね…。
           総悟くん、タオルとジュースありがとう!」

          「どういたしまして」

          「じゃあ、お風呂入ってもう寝るね!お休みなさい☆」

          「お休みなせェ」




















          そうだ、あの子にも連絡いれとこうかな…
          もう、一人で無茶しないって約束したしね!





































          〜♪










          「…?メール??」










          ○/×(月) 22:36

          From: 
          Title:やっほー!
          ―――――――――――
          ―――――――――――
          いよいよ高杉が登場!
          一人で無茶しないように
          メールしたよ(笑)
          それで、ちょっと手伝っ
          てくれない?

          の助けを期待して
          待ってまーす☆

          ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




















          「…










           よーし、ちゃんが一肌脱いじゃうよォ!!


























                  ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

             はいはいはいはい!やっと来ましたよォォォ!!
             高杉、登場!やっと高杉をボコボコに出来るね☆(え
             …いや、ボコボコにするのはちゃんですよ?
             でも、千夜の友人たちがみんな高杉好きで、
             止められたので顔にちっさい切り傷つける程度にします。
             かなり妥協ですよォ、奥さん!(何

             たぶん、ちゃんとちゃんでタッグ組みます。
             実は、この2人のタッグが好きな千夜です!
             なので、春雨の回とか好きなんですよ!
             最後の方でタッグ組んでましたしね♪