参拾八話:いい相棒がひとりくらいいるといい
「土方さん!」
「ん?なんだ、」
「ちょっと、一人で市中の見回りしてきますね!!」
「何言ってんだ、高杉がうろついてるかもしれねぇってのに
一人で見回りなんか危ないに決まって…」
「じゃ、行ってきます、土方さーん!!」
「って、オイィ!!」
はい、そんなワケで(?)土方さんの言葉を軽く無視して、
一人で市中の見回りなんかしちゃってます。
なんでかって?そりゃあアレですよ
と作戦会議をするためですよ。
「いつもの川原に集合だよね。にしても……」
なんだか雲行きが怪しくなってきたなぁ…
傘、持ってくれば良かったよ!
私は自分の目しか信じないからねぇ…
晴れてるのを見たら一日中晴れだと思うからねホント(え
「ん…?」
あの人、帯刀してる…。
もしかして攘夷志士……?
「…よし、つけてみよう」
ごめん、…
ちょっと遅れまーす(何
「おっかしいな…確かこの路地に入ってった気が……」
見失ったかなぁ……。
スッ
「ククっ…真選組の隊士が、何の用だ?」
「!」
待ち伏せされた…?
コイツ…できる……
「…ちょっと、アンタに用があって」
「俺を捕らえに来たのか?」
捕らえに…?
「…ってことは、アンタやっぱり攘夷志士なの……?」
「…クッ…そうか、俺が誰だか知らずに……」
え?何?もしかして有名人??(おい
「真選組に女がいたとはな…」
「…私は、入隊してそんなに経ってないからね」
「そうか…だが、名前くらい聞いているだろう?」
「……?」
「俺は…高杉晋助だ」
えっ…
高杉…晋助……
「! 土方さんが言ってた要注意人物…!!」
「土方、か…やはりお前は真選組のようだな」
「な、なにおう!もしかしてアレか!ちょっと疑ってたんかァ!!」
なんて失礼な奴だコイツぅ!!
“高杉カッコいい!”とか行ってた某友人よ、
こんな奴のどこがいいんだよォ!?(私信/え
「少し弱そうだったんでなァ…悪く思うなよ」
「だったら…試してみる?」
「ほう…」
私を“弱い”と言ったこと……
後悔させてやるぞォォ!!(えええ
「たあああ!!」
「素人の剣だな……」
よしっ!コイツは完璧に油断してるぞ!!
「甘いよ!!」
「! (消えた…?)」
ふわっ
「くらええええ!!!」(え
…………。
…………。
「……やるじゃねェか」
「………」
やったと思ったんだけどね……
寸前で避けられたか。
やっぱり一筋縄じゃいかない相手だな……。
「俺に傷を付けるとはな……
そんな奴はそうそういないぜ」
「…あっそ」
傷って…顔に切り傷が付いただけじゃん。(クール
「お前…名前は?」
「私は……
…黒蝶だよ」
「お前が噂の黒蝶か…
それなら、この強さも頷ける」
「……逮捕していい?」
「まぁ、待てよ…
これから楽しい祭りがある。
それからでも遅くはないだろ?」
いや、だからその祭りの前に逮捕しようとしてんだけど。
だけど……
『いくらでも…死ぬよ』
一人で無茶しないって言った手前、危ないことは出来ないし…
一対一で戦って簡単に倒せる相手じゃないよね……。
「……今は、見逃す」
「クッ…引き際も心得てるな」
「……お祭りに、来るんでしょ?」
「まぁな」
だったら…まだ逮捕するチャンスだってあるよね。
「そのときがアンタの最後だと思ってね」
「…心しておくぜ」
そう言って、高杉は立ち去っていった。
「それにしても……」
雰囲気からしてヤバそうな奴だったな……
ホント、の言う通り気をつけないと。
「…あ、!こんな所にいたの?」
「…?」
「待ち合わせの時間、とっくに過ぎてるよ!
何してたの、もう」
「あ…」
そうだった!と待ち合わせしてたんだった…!!
「ご、ごめん、」
「別にいいけど…でも、こんな路地裏で何してたの?」
「あー、ちょっと高杉としゃべってた」
「はぁ!?」
おい、こんな至近距離で叫ばないでよォ!
鼓膜が破れるじゃん!!
「ちょ、何してんのォ、!!」
「いや、別に何も」
「別にじゃないでしょ!!」
まったく、は気にしすぎだよ。
「あれだけ『高杉晋助には気をつけてね』って言ったのにィ!!」
「いや、帯刀してるから攘夷志士かなーって思ってさ。
まさか高杉本人だとは思わなかったんだって」
「そ、そうだった…!
ってば、あの人の顔、知らなかったんだ…!!」
は、『、一生の不覚…!』とか言いながら、
がくっとうなだれた。
(どーでもいいけど、オーバーリアクションすぎるよ)
「挑発とかしてないでしょうね?」
「うーん…ってか、向こうが挑発してきたよ」
「…それで乗ったりとかは「した」
「ちゃんんん!!」
、ツッコミもいけそうじゃん!(そこかよ
「ったく、もう…はしょうがないんだから」
「お前に言われたくねーぞ?」
「ほら、そんな口調しちゃダメでしょ!
口調直してるって、こないだ言ってたじゃない」
「そーだけど…」
自分のせいで私の口が悪くなってると自覚してほしい(切実
「…とにかく、いつまでも怒ってるわけにもいかないし、
がこれからやろうとしてることとか、聴くから」
「サンキュー、!」
やっとこさ本題に入れるね。
まったく、誰のせいでこんなに寄り道してんのォ、ホント!!(お前だ
「で、簡単に言うとね」
「うん」
「私は高杉を逮捕したいわけ」
「…うん」
あの人さえ逮捕できれば……
「また高杉のせいで一波乱起きるんでしょ?」
「そうだね…」
「だから、今のうちに逮捕しときたいの」
それで助かる人が、いるならば……
「…でも、簡単には行かないよ?」
「わかってる」
「それでもやるの?」
「…やる」
もう決めたんだ。やるったら、やる!!
「…そっか。じゃあ、私も協力する!」
「……」
「じゃ、なるべく危険じゃない方法を考えようか」
「うん!!」
よーし、がいれば安心だね!
なんてったって(?)スピード出世だしね!!
「とりあえずね、これからの高杉の行動ルートだけど」
「うん」
「前に発明家のおじさんがいるって話したよね?」
「あー、なんか聴いたかも」
銀さんたちが、関わっていくおじさんだよね、確か…。
「そのおじさんを、高杉はけしかけるんだよね…」
「将軍を狙え、と?」
「……そういうこと」
そっか…じゃあ、将軍も守らなきゃだね。
「将軍を守ることも大切だけど、それは土方さんたちが
なんとかしてくれると思うよ」
「おぉ、さすが!」
「うちらは高杉に集中しよう!」
「了解!!」
原作を捻じ曲げてでも守りたいものがあるの。
それを守るためなら、私は……
「……」
「ん?」
「私がついてるんだから、絶対成功させるよ!」
「そーだね!(笑)」
そうして、祭りの当日となった――――
♪♪♪ あとがき ♪♪♪
38話でしたー!いかがだったでしょうか??
ってか、38ってアンタ…って感じですね(何
でもまだ4巻なんですよ、4巻。
ありえないですね、本当に。(お前がな!
ここ、いちおーシリアス(とゆーか真面目な)
シーンなのにも関わらず、なんかちゃんと
高杉のやり取りで爆笑してしまう千夜です(おい
なんか、おかしすぎる…!
とりあえず、高杉とちゃん、接触しました。
次は、いよいよお祭り当日!
ちゃんと一緒にどんな作戦に出るのでしょうか!?