五拾壱話:私だって負けないくらいロマンティストだもん!!
「あ〜、嫌な雨だ。
何もこんな日にそんな湿っぽい話
持ち込んでこなくてもいいじゃねーか……」
「そいつァ、すまねェ。
一応知らせとかねーとと思いましてね」
銀さんだって、結局は協力してくれたんだから……
総悟くんの言う通り、知らせる義務はあると思う。
だけど……
「ゴメン、銀ちゃん」
「僕らが最後まで見とどけていれば……」
「そんなっ……二人のせいじゃないよ!」
「の言うとーりだ。
野郎も人斬りだからな、自分でもロクな死に方でてねーのくらい覚悟してたさ」
だけど……だけどやっぱり、何とかしてあげたかった…………
「ガキどもはウチらの手で引きとり先、探しまさァ。
情けねェ話ですが俺たちにはそれぐらいしかできねーんでね」
「うん……鬼道丸さんと一緒に住んでいた子どもたち、
あの子たちだけでも助けたい」
それしか出来ないって総悟くんは言うけれど、
出来ることがあるなら、いいと思うんだよ……。
「旦那ァ、妙なモンに巻き込んじまってすいませんでした。
この話はこれっきりにしやしょーや、
これ以上関わってもロクなことなさそーですし」
……けれど、本当にもう他に出来ることは何も無いのかな…………
ガラッ
「!」
子どもがいっぱい……まさか、この子たちが…………?
「テメーら、ココには来るなって言ったろィ?」
「…………」
「……に、兄ちゃん。兄ちゃんに頼めば何でもしてくれるんだよね。
何でもしてくれる万事屋なんだよね?」
「お願い! 先生の敵、討ってよォ!」
みんな…………
「コレ……
僕の宝物なんだ」
「お金はないけど……みんなの宝物あげるから」
「だからお願い、お兄ちゃん」
そうして子どもたちは自分たちの宝物を全部広げて、
銀さんに敵と討ってくれと次々に口にした。
「いい加減にしろ、お前ら。もう帰りな」
「でも、総悟くん……」
子どもたちだって、自分たちの宝物を差し出すくらい真剣なんだ……
それに応えてあげたい……
「……僕、知ってるよ」
「え……?」
「先生……僕たちの知らないところで悪いことやってたんだろ?
だから死んじゃったんだよね」
「それは……」
この子たち、気づいてたんだ……。
「でもね、僕たちにとっては大好きな父ちゃん……
立派な父ちゃんだったんだよ……」
そうだよね……
違法なことをして、そして人斬りだったんだから、
お世辞にもいいことをしていた人だとは言えない。
でも、それでもこの子たちにとってはお父さんだったんだ……
やっぱり何とかしてあげたい……
でも、土方さんは敵う相手じゃないって…………
「オイ、ガキ! コレ今はやりのドッキリマンシールじゃねーか?」
「そーだよ、レアモノだよ。何で兄ちゃん知ってるの?」
「何でってオメー、俺も集めてんだ……ドッキリマンシール」
「銀さん……?」
何を……
「コイツのためなら何でもやるぜ。
後で返せっつってもおせーからな」
「兄ちゃん!」
「銀さん!」
やっぱり銀さんは……優しくてカッコいいね…………
「ちょっ……旦那」
「銀ちゃん、本気アルか」
「酔狂な野郎だとは思っていたが、」
「!」
「ここまでくるとバカだな」
「土方さん!」
気づくと、万事屋の入り口のところに土方さんが立っていた。
「小物が一人はむかったところで潰せる連中じゃねーと言ったはずだ……
死ぬぜ」
やっぱり、相手は一筋縄じゃいかない……
あーっ! に連絡しとけば良かったァァ!!
(そしたら無茶できるのに!)(違
「オイオイ何だ、どいつもこいつも人ん家にズカズカ入りやがって。
テメーらにゃ迷惑かけねーよ、どけ」
「別にテメーが死のうが構わんが、ただ、げせねー。
わざわざ死にに行くってのか?
(いや、だがはコイツを信頼してる……
コイツが死んだら哀しむかもしれねェ…………)」
「行かなくても俺ァ死ぬんだよ」
どういうこと……?
「俺にはなァ、心臓より大事な器官があるんだよ。
そいつァ見えねーが確かに俺のどタマから
股間をまっすぐブチ抜いて俺の中に存在する。
そいつがあるから俺ァまっすぐ立っていられる。
フラフラしてもまっすぐ歩いていける」
「…………」
「ここで立ち止まったら、そいつが折れちまうのさ」
銀さん…………
「銀さん……それって…………?」
「にだってあるはずだぜ」
「…………?」
「魂だよ」
……!
「魂が折れちまうんだよ」
魂が……折れる…………
「心臓が止まるなんてことより俺にしたらそっちの方が一大事でね。
こいつァ、老いぼれて腰が曲がってもまっすぐじゃなきゃいけねー」
「己の美学のために死ぬってか……? とんだロマンティズムだ」
…………。
「なーに言ってんスか? 男はみんなロマンティストでしょ」
「いやいや女だってそーヨ、新八」
そう言いながら、新八くんと神楽ちゃんがそれぞれ
子どもたちの持ってきた宝物を一つずつ掴んだ。
「それじゃバランス悪すぎるでしょ?
男も女のバカになったらどーなるんだよ」
「!」
「それを今から試しにいくアルヨ」
「オッ……オイ、てめーら……」
「…………
どいつもこいつも……何だってんだ?」
「全くバカな連中ですね。
こんな物のために命かけるなんてバカそのものだ……」
「全くだ、俺には理解できねェ……
…………ん?
ってお前何してんだァ!? どこに行くつもりだァァ!!」
「すまねェ……土方さん。
俺もまたバカなもんでさァ」
「総悟くんっ……!」
総悟くんまで…………
「」
「な、なに……?」
「も一緒に行きたいですかィ?」
「えっ……」
そ、そりゃあ私だって一緒に行きたいよ……
でも土方さんは危ないって言う…………
トリップにすら恐怖を抱かなかった私が、
今さら恐怖を抱いているわけじゃない。
ただ、私はここで死ぬわけにはいかないんだ……
原作を捻じ曲げてでも、みんなを守りたいから……
だから、ここで消えてしまう訳にはいかない。
でも、行かなければ別の何かが消えてしまう気がする…………
(それが、銀さんの言う魂なの…………?)
「別に土方さんの言うとおりにするこたァねェ。
の好きなようにやればいいんでさァ」
「私の……好きなように…………?」
「旦那の言うように、にもあるはずだ……
折れることのない、魂が」
「……!」
私の持つ魂……折れることのない、魂…………
「じゃ、俺は行きますぜ。……」
「……?」
「待っていまさァ」
「!」
「総悟のバカが……。
オイ、。お前はぜってー行くなよ」
「土方さん…………」
でも……でも、私は…………
「さすらいの志士、ちゃん、とーじょー♪」
「!」
……!?
「ちょ、っ……なんでここに!?」
「私は何でもお見通しなんだよ♪」
そ、それもそうか……
(は銀魂を知り尽くしてるもんね……)
「、私はこのビー玉をもらっていくことにするよ☆」
「! オイてめー、何するつもりだ」
「そんなの決まってるじゃないですか!
ね、?」
…………。
…………。
「……私はけん玉をもらっていくことにするよ!」
「オイ、! お前、まさか……」
「ごめんなさい、土方さん……
私も結構ロマンティストでした☆」
「……ったく、どいつもこいつも…………」
「が来てくれて良かったよ!」
「が無茶しないようにってね(笑)」
無茶はしないよ……
「一人じゃ無茶しない、でも二人ならいいでしょ?」
「もち!」
「「親友タッグ、再び登場!!」」
♪♪♪ あとがき ♪♪♪
そんなわけで次は敵討ちですね(何
少し長くなってまった気もしますが……。
やっぱりちゃんとちゃんの
親友タッグが好きですねー、千夜は(笑)
ちゃんが迷っているときに颯爽と(?)
ちゃんが現れるのがいいですね☆
さて、次で解決!
…………かな?