五拾六話:きっと護りたいのだと思っていたのだろう




















          「ガキはすっこんでな死にてーのか」

          「あんだと、てめーもガキだろ」

          「なんなんスか、一体」

          「不本意だが仕事の都合上、一般市民は護らなきゃいかんのでね」










          私もそう思う、でもね……










          「私は、私の護りたいものを護るよ!」










          きっと、これからもずっと。
          だから……










          「だから、撃ちたいなら好きなだけ撃ちなさい!」










          「そうだ、撃ってみろコラァ!」

          「このリストラ侍が!」

          「ハゲ! リストラハゲ!










          「
俺がいつハゲたァァァ!!
           上等だァ、江戸を消す前にてめーらから消してやるよ!」










          そうはいかないよ!










          「私達消す前にお前消してやるネ!」

          「スピードなら私たちの方が優勢でしょ!」








          
「いけェェ!!」




















          「新八、木刀もってきたろうな?」

          「え、あ……ハイ……
           !!」




















          ヒュンッ










          「!」










          今のは…………!




















           「工場長、すんませーん、今日で仕事やめさせてもらいまーす」










          「ぎっ……」

          「銀さん!!」










          銀さん、もしかして記憶が……!















          「ワリーが俺ァ、やっぱり










           自由(こいつ)の方が向いてるらしい」




















          
「死ねェェェェ、坂田ァァァ!!」















          「お世話になりました」










          
ズゴッ







          ガピシ







          「えっ」







          
ドン









          「ぎゃああああ!!」




















          やっぱり銀さんは、いつもの銀さんの方がいいね…………




















          「けーるぞ」




















          「ハハ、やっぱアイツらはアレじゃないと
           ねっ、局長……」










          「君は誰だ?」










          「…………」




















          「そーいや、思い出したら俺と結婚してくれるんだっけ?」

          「違うって! それは神楽ちゃんが勝手に言っちゃったの」

          「んだよ、ぬか喜びかよー
           やってらんねーなァ、オイ〜」

          「さっきまでとエライ違いだな、この天パー……」










          確かに(笑)










          「でも、やっぱり銀さんはこっちの方がいいよね☆」

          「まァ……それはそうですね」










          呆れながらも、新八くんも今の銀さんを慕っていることは
          私にもなんとなく解ってる。















          どうでもいいことって忘れないでいたりするけれど、
          きっと大切なことも、忘れないんだと思うよ。




























































          「そっか〜、銀さん、ちゃんと思い出したんだね」

          「まーね……って、どーせは知ってたんでしょ?」

          「それはそうだけどさ」










          数日後、私はのアジト(とゆーか桂さんのアジト)に来ていた。
          昨日あれから屯所に戻ったあと電話があって、
          七巻の話をしよっかってことになってね。










          「と私がいるってことは、
           登場人物が余計にいるってことじゃん」

          「うん」

          「だからやっぱり、色々と誤差みたいのは出てくると思うんだよね」

          「あー……なるほど」










          いつもは川原でしていた話なんだけど、
          今日はが桂さんの代わりにアジトで留守番してなくちゃってことで
          私がアジトまでやってきたワケです。




















          …………アレ?
          これって真選組隊士としては逮捕するべきなの?










          ま、いっか。今日は親友モードだし
          昨日の今日で逮捕とかしたらなんか疲れるし
(オイィ!










          「ま、その誤差のことを考えても、先の話を知っておくことは
           それなりに効果的だと思う」

          「そうそう、そうだよ! だから七巻の内容、教えて」











          少し突入しちゃってるらしいけど、まだ間に合うよね……?










          「…………よし」

          「ん?」

          「日常的な話なら、は原作知らなくてもなんとかなりそうだから
           あえて説明しないでおくね」

          「なんで?」

          「混乱しちゃうから」










          そう言われればそうかもしれないなー……(遠い目










          「じゃ、説明するよ」

          「うん」





























































          ……ん? なんかみんな騒いでるけど、どうかしたのかな?




















          「やっと帰ってきましたかィ、

          「あ、総悟くん」










          桂さんのアジトから屯所に戻ると、もう夕方になっていた。
          隊士のみんなが騒いでて何かあるのかなーと考え込んでいるとき、
          後ろから総悟くんに声をかけられたのだ。










          「総悟くん、ただいま」

          「お帰りなせェ」

          「今日って何かあるの?」










          誰かの誕生日とか?










          「、忘れちまったんですかィ?
           今日は大晦日ですぜ」

          「えっ……」










          そういえばそうだったかも……!










          「そっか、じゃあ宴会みたいなことするんだね」

          「そーゆーことでさァ」

          「やっぱり(笑)」










          みんな、こーゆーときだけ(?)テキパキしてるからね……
          お酒やら何やらの用意でもしてるんだろうなァ〜。










          「も参加しますよねィ?」

          「うん、もちろん☆」










          そっか、大晦日の宴会か……










          楽しみだな♪


















































          ――――……夜。










          「えー、本来なら大晦日ぐらいハメを外してみんなで騒ぎたいところだが
           我々には江戸を護るという使命がある。
           酒はこの一杯だけで我慢してくれ。

           だが感謝の念なら俺が幾らでも注ごう、本当に一年ご苦労だった」










          ……アレ?私が来たのってどのくらいの季節なんだ?(素朴な疑問










          「じゃあ、みんな一年おつかれやしたー!!」

          
「充分ハメ外してるじゃねーか!!」










          近藤さんの言葉に土方さんがツッコミを入れたワケだけど、
          目隠しされてて何が何だか解らないんですが……










          「って、土方さん、どうして突然目隠しなんか……」

          「この先を見てもお前の未来は無いからだ」

          「ええっ!?」










          
そんな大事(おおごと)!?










          「ハァー、ったくしょうがねー連中だぜ」

          「いや、全く見えないんで何とも言えないんですが……」

          「まァまァ、今日はいいじゃねーですかィ、無礼講で
           なっ、土方よ

          
「てめーは毎日無礼講だろーが」










          確かに……。(妙に納得










          「……まァ、いい。
           今日は俺 飲まねーからてめーらは楽しんでろ
           それからも連れて行く

          「何か気になることでもあるのかィ、
           土方コノヤローは置いてけよ

          「近藤さんがあのままでいる限り、無理だ」

          「マジですかィ〜」










          だから近藤さんが何だっていうの??










          「で、土方さん、何か気になることがあるんですよね?」










          総悟くんと会話させてたら話が進まないよー……。










          「こないだのマムシの残党が不穏な動きしててな。
           倉庫にあった大量の爆薬が失くなってたらしい」

          「え、ホントですか!」

          「あァ……頭ぶった斬ったってのに尻尾だけではねまわるたァ
           蛇ってのはしつこくていけねェな」










          蛇……?
          …………あっ、マムシだからか!!(遅ッ!!




















          「…………とにかく、は飲むならこの部屋以外で飲め」

          「いや、私 未成年だからお酒はいいです」

          「じゃあもう寝ろ」

          
「オイイィィ!!」










          私に大晦日を楽しむ資格ないのかよ!
























   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

銀さんの記憶喪失のお話が解決しました!
なんかうまく絡めなかった……orz
てか、だんだん書けなくなってきてる(え

大晦日のところは近藤さんがアレだったので
土方さんのガードが入りました(笑)
土方さんってきっとそーゆー役回り☆
でも、ずっと目隠ししてるってことは、
おそらくかなり接近しているんですよ(笑)
土方さん照れ屋なのに気づかない……。
天然だな!(え

一緒に新年を迎えられるとかいいですねー!
素敵ですね(*´∀`)v


↓オマケ






























          土方さんがみんなと宴会するの許してくれなかったため、
          結局は総悟くんのお部屋で三人でプチ宴会(?)を
          することになりました。










          「もこの酒、どうですかィ?」

          「いや、さっきも言ったけど私まだ未成年だからお酒はいいよ」

          「固いこと言わねェで」

          「だからいいってば
           てか
君も同い年じゃなかった!!??










          なんで飲んでんだ!?










          「まァまァ」

          「いや、まァまァじゃないんだけど!!

          「ほっとけ、










          
いーんですか!?




















          「それより……お前も慣れない生活だったかもしれねェが、
           真選組隊士としてよくやってくれたな」

          「土方さん……」

          「は、あっという間に他の隊士たちを
           追い抜いていきましたからねィ。
           それだけ努力してきた証拠でさァ」

          「総悟くん……」










          なんか、改めて言われると少し恥ずかしいかも……///










          「これからもよろしく頼むな」

          「はい!」

          「一緒に土方さんを陥れましょうぜィ」

          「って
何言ってんだァァ!!

          「そうだね、総悟くん!」

          
「お前も返事してんじゃねェェ!!」

          「あはは(笑)」










          土方さんはすぐに引っかかるなァ(笑)




















          「…………ねェ、土方さん、総悟くん」

          「ん?」

          「何ですかィ?」
















          
『見たことない着物ですねィ、土方さん』

          『テメェ、何者だ?ここで何してる』
















          あのとき……二人と出会えて良かった…………




















          「初めて会ったあの日、私を拾ってくれてありがとうございました!
           私に出来ることなんて限られているだろうけど……」










          それでも…………















          「私は私なりに、私のやりたいように頑張りますから!」










          「…………」

          「…………」















          そのとき、向こうの部屋で近藤さんたちが
          「あけましておめでとォ!」と言っている声が聞こえた。















          「だから、今年もよろしくお願いします☆」




















          「「あァ、よろしく」」










          二人は不敵な笑みを浮かべながら、そう返してくれた。















          私の護りたいものは、新年を迎えたって変わらないよ……――――