六拾話:ウイスキーボンボンのボンボンって、私も気になってました!!




















          「星海坊主?」

          「なんですか、それ?」










          近藤さんが、なんか偉い人?と会っているとかで、隊士さんたちが噂をしていた。
          そこに私と総悟くんは通りかかったってわけなんだけど……










          …………アレ? 星海坊主って、確かが言ってたような……。















          「んなこともしらねーのかよ沖田さん、ちゃん。常識よ常識」

          「アレ? アレがそうなの?」

          「ちょ、俺にも見せてくれィ」

          「ちょっ、押さないでくださいよ」

          「くさっ! 誰か臭いぞワキ洗え」










          「…………」










          何やってんだろう、この人たち……。(呆)















          「早い話、えいりあんばすたーという奴ですよ。
           第一級危険生物を追い、駆除する宇宙の掃除人です」

          「ええっ!カッコいい!!」

          「奴はその中でも最強とうたわれる掃除人で、
           いち掃除人でありながらあちこちの惑星国家の政府にも顔がきく大物です」

          「ええっ!ちょーカッコいい!!」










          私もばすたーしたい!(何










          「数多の星を渡り、数多くの化け物を狩ってきた男。
           ついた仇名が星海坊主……生ける伝説ですよ」

          「へェ〜、ホントにすごいですね」

          「それで、その伝説が何故ここに?」

          「なんでもえいりあんが江戸に逃げこんだとか」










          ええっ!もしや私もばすたー出来るチャンスでは!?(違















          「――わざわざご忠告感謝します。
           後のことは我々がなんとかしますのでご安心を」










          「しかしアレですな、まさかあの星海坊主殿とお会いできるとは
           感激の極みであります。地球へは?やっぱりえいりあん狩りですか?」

          「キノコ狩りみたいな言い方やめてくんない」










          ……で、結局星海坊主って誰だっけ…………?










          「ヤボ用でね。
           えいりあんなんぞより、よっぽど手のかかる奴を追ってきたのよ」

          「ほう、星海坊主殿が手こずる相手とは……
           さてはコレですか?」

          「クク、女には違いねーがな」




















          その後、星海坊主さんはヤボ用のために帰っていった。










          「それにしても、えいりあんばすたーなんて楽しそうだね!」

          「そうですかィ?」










          総悟くんは、あんまり(というか全く)興味の無さそうな返事をする。










          「いいなァ、ゴーストバスターでもいいからやってみたいなァ……」










          私がそんなことを考えていると、総悟くんと二人で休憩していた部屋に
          無線を通して近藤さんの声が聞こえてきた。










          「寄生された者を判別するには顔を見るのが早い。パンダを探せ!
           寄生された者の目の周囲にはクマのような黒いアザが出る。
           いいか、みんな。パンダを探すんだ」










          「総悟くん、パンダだって」

          「へェ〜」










          「被害が出る前になんとしてもくいとめるんだ。
           パンダだ、パンダダじゃないぞ、パンダだ。
           いや今の『だ』はそーゆう『だ』じゃなくて」










          なんか、近藤さんの説明がだんだんよく解んない感じになってるような?










          そんなことを考えながら総悟くんが見ていたテレビに目を移すと、
          銀行強盗についての報道がされていた。
          そこに映っていた犯人の顔が、なんと!










          「パンダダ」










          ……総悟くんの言う通り、パンダだった。















































          「えいりあん、お前は完全に包囲されている。
           無駄な抵抗はやめておとなしく投降しなさい。えいりあん」










          どーも、です。
          総悟くんの運転する車ですぐさま例の銀行までやって来ました。










          「故郷(くに)のお袋さんも泣いてるぞ!
           そんなえいりあんにするために産んだんじゃないってな」

          「どんなえいりあん?」

          「えいりあんだろーが人間だろーが、母ちゃん泣かす奴は最低だ。
           ねェ、お袋さん。なんか言ってやってください」

          「えっ?来てんの?」

          「えいりあんのお母様が……!?」










          総悟くん、いつの間に呼んだの!?










          「お母さん、もうしらないから。
           お母さん……もう三年前のあの時から息子はいないものだと思って…」










          って、ただの近藤さんじゃん!!










          私がそうツッコミを入れようとしたら、
          一台のパトカーがえいりあんのお母様……もとい、近藤さんへと突っこんできた。










          「局長ォォォォォ!!」










          「えいりあんがなんぼのもんじゃーい!」

          「なんぼのもんじゃーい!」

          「いや、えいりあんじゃねーからコレ!!」










          って、土方さん、近藤さんのことパトカーで撥ねたし!?










          「なんてことしてるんですか、土方さんのバカァァ!!

          「なっ、なんでそうなんだよ!」

          「やーい、土方さんフラれてやんのー」

          「うるせェぞ、総悟!!」










          「! 誰か来る!」

          「誰か出てくるぞォ!!」










          「「「!」」」










          「かまえ!!」










          隊士さんたちのその声で、あたしと土方さん、総悟くんの三人も
          銀行の方に向き直り、総悟くんが『かまえ』の声をかけた。










          ウィーン




















          「…………」















          「いいからこいってんだよ。
           アレだ、マロンパフェ食わしてやっから」

          「ちょ、離してヨ。離れて歩いてヨ」

          「なんだお父さんと歩くのが恥ずかしいのか!?
           どこだ!!どの辺が恥ずかしい?
           具体的に言え、お父さん直すから!」

          「もうとり返しのつかないところだヨ」

          「神楽ちゃん、人間にはとり返しのつかない事なんてないぞ!
           どんな過ちも必ずつぐなえる!」

          「無理だヨ〜、一度死んだ毛根は帰ってこないヨ〜」










          「すいません、僕もマロンパフェいいっすかね〜。
           いや、ちょっと待て。やっぱフルーツパフェにしようかな?どうしよっ」




















          「…………なに?」










          「ってか、お父さんんんん!!??










          そーいえばが言ってたァァァ!!!























































          「しかし星海坊主ってのはいつもこんな化け物とやりあってんですかィ?
           どっちが化け物かわかりゃしねーや」

          「おまけにあのチャイナ娘の親父だったとは……
           生活感のカケラもねー男だったが」










          あれから私たち真選組は、星海坊主さんに倒されたえいりあんの処理をしていた。









          「男って奴には、二種類の血が流れてる。
           一つは家族や仲間、自分の巣を守り安寧を求める防人の血」

          「もう一つは何ですか?」

          「もう一つはな、巣から出て獲物を求めさすらう狩人の血だ」










          なるほど……。










          近藤さんが久しぶりに(?)真剣な顔をしたものだから、
          あたしはそのまま話に聴き入った。










          「あの男の目は狩人というより獣に近い。
           おとなしく巣におさまっているタマではあるまいよ」









          「もしかしたらあの娘、今までさびしい思いをして
           生きてきたのかもしれんな……」










          「…………」










          は、日常的な話のことは、私に説明しないと言った。
          ……だけど、星海坊主さんの話はしてた。















          『神楽ちゃんが、連れて行かれそうになるよ』















          にとって神楽ちゃんが大切な存在なら、
           きっと神楽ちゃんや星海坊主さんにも声が届くんじゃないかな』





















          「あ、あの、近藤さん!」

          「ん?どうした、ちゃん」

          「私……ちょっと、神楽ちゃんのところに行ってもいいですか?」

          「ちゃん……」










          仕事をほっぽりだして行くのも、ホントはいけないんだと思う。
          だけど、私にも譲れないときが、あるから。















          「……あァ、行ってくるといい」

          「おい、近藤さん」

          「いいんだ、トシ」










          何か言いたげな土方さんを制して、近藤さんは言った。










          「人なら、誰しも譲れないときがあるもんだ。
           ちゃんにとって今がそのときなら、行ってくるといい」

          「!」










          近藤さん…………。















          「はい!行ってきます!!」















          の情報を頼りに、私は神楽ちゃんたちの後を追った。





















   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

いよいよ次の見どころ……神楽ちゃんとお父さんの回!
どうやって介入していっていいのか未だに迷っているので、
今回は導入編って感じでまとめてみました。

ちゃんにとって、もちろん銀さんや土方さんや
総悟くん、真選組メンバーだって大切なんでしょうけど、
きっと神楽ちゃんも大切だと思うんですよね。
銀魂キャラの中でさ。

そういうところを、書けたらいいなーと思いつつ画策してます。
頑張りますので、ピンチになるといつも言ってますが
見捨てないでください……!(切実/オイ