六拾壱話:トイレに入るときのノックって二回らしいよ!















          「あっ、新八くん!」










          万事屋の階段を、新八くんが降りてきたところだった。










          神楽ちゃんたちが向かったであろうレストランに行くか
          万事屋に行くか迷った末、私は万事屋に来ていた。
          新八くんに詳しいことを聞こうと思ったんだけど、
          やっぱりこっちであってたみたい。










          「さん…………」

          「え、ちょ、新八くん……!?」










          いつもと180度違うこのテンション、どうしたの……!?










          「神楽ちゃんが……」

          「! 神楽ちゃんがどうかしたの?」

          「銀さんが、神楽ちゃんを解雇したそうなんです……」

          「!」










          神楽ちゃんを解雇…………?










          「どうして…………」

          「銀さんは、神楽ちゃんを星海坊主さんの……
           親の元に返すのが、一番だと思ったんでしょうね」

          「そ、それは解らなくもないけど、
           どっちがいいか決めるのは、神楽ちゃんじゃないかな」










          おそらく、世間の考え方からしたら、
          銀さんのやったことは正しいんだと思う。










          「……やっぱり、なんか違う気がするんだけど!」

          「はい……僕もそう思うんです、さん。
           銀さんは、神楽ちゃんがどれだけ万事屋を大切に思ってるか、知らないんですよ」










          そう言った新八くんには、怒りが見えた。




















          「神楽ちゃんは、今日ターミナルから出航する船で帰るそうです。
           でも……僕は、神楽ちゃんを追いかけます」

          「新八くん……」

          「…………さん、協力してもらえますか?」

          「!」










          、一緒に遊ぶネ!!』















          「もちろん!!」

































































          「神楽ちゃんの乗る船とか知ってる?」

          「詳しいことは解りませんけど……
           たぶん、すぐに出てしまうんじゃないかと」

          「それじゃ、急がなきゃね」

          「はい」










          あれから、私と新八くんはターミナルまで来ていた。
          だけど、元々搭乗する気も無かったから
          もちろんチケットなんてものは持っていない。















          「どうしよっか?強行突破も、あたしは好きだからいいよ(笑)」

          「僕はどちらかというと苦手ですけど……この際、しょうがないです」

          「よっし、じゃあ行くよ♪」










          強行突破ァァァ!!!(え




















          「ちょっ……ダメですってば!
           お客様、こっから先はチケットがないと通れないの!!!」











          …………と意気込んで突進したはいいものの、
          やはり警備員みたいな人に止められてしまう。










          「警察呼びますよ!」

          「てか私が警察です!!」

          「「ええェェェ!!??」」










          忘れてたァァ!!










          そうだよ、職権乱用という裏ワザ(?)があったじゃないですか……。















          「と、突然すみませんでした。
           実はですね、ちょっと緊急事態でして、急いでいるあまり
          事情を話さずに突進しちゃいました

 
          「緊急事態、ですか?」

          「はい、そうなんですよ。
           実は今しがた起こったコンビニ強盗の犯人が、
           盗んだ金を持ったままこの船で逃走しようとしてて」










          って、コンビニ強盗なんていないけどね!(オイ










          「その犯人はナイフや銃を所持しています。
           危険なので、この船がターミナルを出る前に捕らえたいんです」

          「な、ナイフと銃ですか?それは危険ですね」










          よーし、完璧信じてるよ、この警備員っぽい人たち!
          さすが演技派のちゃんね!!




















          「……解りました、強盗犯を捕まえてください」

          「任せてください!
           ……行こう、新八くん!」

          「あ、はい……」

          「ちょっと待って、君は何者?」










          私と新八くんが船に向かおうとしたところで、
          警備員っぽい人たちが新八くんを止めた。










          「そっちのお姉さんが警察の人ってのは解るけど、
           君は一般人じゃないの?」

          「あ、いや、僕は……」

          「す、すみません! この子、私の助手なんですよォ!!」











          あー、こういう手があるなら、
          新八くんにも真選組の隊服を着させておくんだったァァ!!















          「そ、そうなんですよォ!
           僕はこちらのさんの助手をしてるんですよォォ!!」










          そう言って新八くんもその場を通り過ぎようとしたんだけど、
          間一髪のところで警備員っぽい人たちに取り押さえられてしまう。











          「ウソをつけェェ!君はそんな大層な人間じゃないっぽいぞ
           ただの一般市民(16)っぽいぞォ!!

          「どーいう意味だ、それェ!!なんで歳までわれてんだァ!!!

          「ちょ、新八くん!!」










          今の面白かったけど、ツッコミ入れてる場合じゃないよォォ!!















          「くっ……さん、先に行ってください!」

          「で、でもっ!」

          「僕も後から行きますから!
           先に行って、神楽ちゃんを引き止めてください!」

          「う、うん、解った!!」










          









          新八くんは、言ってた。










          『僕は、神楽ちゃんがどれだけ万事屋を好きなのか、
           どれだけ銀さんのことを大切に思ってるのかだけは、知ってるんです』

















          「きっと、新八くんに比べたら私は神楽ちゃんのこと全然知らない」










          でも…………















          、今日も仕事アルカ?つまんないヨ』




















          「私だって、少しは知ってるんだから!!」










          神楽ちゃんが、どんなにこの場所を大切に思っているのか…………




















          「この世界でできた、私の親友だから…………」










          だから、連れ戻す!!

































































          「おい、なんだあれ?」











          「アレ、人だ!」

          「あんな所に人がいるぞ!!」















          「神楽ちゃーん、どこいくんだァァ!」















          「新八くんの声がする…………」










          神楽ちゃんは、この扉の向こうかな…………?




















          「僕ら、三人揃って万事屋だろォ!!
           銀さん(バカ)に何言われたかしらないけど
           あんなのの言う事きかなくていいって!
           給料もロクに払わないんだから!




           僕一人じゃあの銀さん(バカ)は手に負えないよ!
           帰るなよォ!!まだ一緒に万事屋ではたらこうよ!!















          「……あの野郎、なんてバカなマネ」




















          「バカで結構です」

          「!」










          だって、人ってきっとそういうものだから。















          「万事屋に帰るよ、神楽ちゃん」










          私は出来るだけの笑顔でそう言った。















          「…………」

          「帰ろう?新八くんと、みんな一緒に」

          「……新八ィ…………」




















          「神楽ちゃーん!!」















           新八くんが再び名前を呼んだことで、
           神楽ちゃんもまた新八くんの方を見た。










          「新ぱっ……」










          ガシャァア!!










          「「「!!」」」










           神楽ちゃんが新八くんの名前を言い終える前に、
           突然目の前のガラスが豪快に割れた。















          「パピー」

          「こいつァ」

          「星海坊主さん……これって、もしかするともしかします?」

          「……あァ、嬢ちゃん、若い割りに勘がいいじゃねェか」










           神楽ちゃんと星海坊主さんの雰囲気からして察してみましたが……




















          もしかしなくても、えいりあんんんん!!??























   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

なんかモノローグとか色々いれたら
進みませんでした……ショック……。
でも、まぁ、想像していたよりは上手く
絡めた気がします、ちゃん。

何気に星海坊主さんと会話しているのが
千夜的ポイント(笑)
さて、次からはいよいよVSえいりあん!
巨大えいりあんを前に、はどうする!?
次週に続く!!(違