六拾九話:私は素直じゃないと言ったはずだから















          「え?子ども?」

          「そうなんでさァ。
           どうやら、万事屋の旦那には隠し子がいたみたいですねィ」

          「マジか!!」





          銀さんに隠し子がいたなんて……!
          え、何コレ?なんかお祝いとかした方がいいの!?(なんでだよ














          「そ、それで総悟くん。相手の方は一体……?」





          誰なんだろう……?










          「いやァ、それはよく知りやせんが」

          「ふーん、そうなんだァ……」





          でも、隠し子疑惑なんてかなり気になるよね!!
          銀さんのところに行ってみようかな?




















          ダダダダダ…………





          スパーン!!










          「、待って!それ誤解だからァ!!

          「え、!?





          総悟くんと私がいた部屋のふすまが、突然思い切り開けられた。
          そしてものっそい叫び(?)と共に、が入ってきた。















          「、なんでここに……!?」





          攘夷志士が真選組の屯所に入ってくるとか、なに考えてんの……!?















          「絶対にが誤解すると思って、急いで走ってきたんだよ!!」





          何のことだろ?



















          「って、何ふつーに屯所に入ってきてんだ、テメェはァァ!!





          に続き、今度は土方さんが部屋に飛び込んできた。










          「だって一大事なんですもん!ものっそいヤバイんですもん!!」

          「だからって攘夷志士のクセに堂々と入ってんじゃねーよ!!」

          「偉そうに何を言うんですか!
           土方さんなんてヘタレのくせに!!

          「うるせェェ!!俺はヘタレじゃねェ!!















          「え、何?と土方さんって、
           こんな思いっきり喧嘩する仲だったっけ?」

          「なんか似たものを感じ取ったんじゃないですかィ」

          「あ、なるほど!さすが総悟くん」

          「それほどでもないですぜ」





          「「って、んなワケあるかァァァ!!!」」





          と、喧嘩中の二人のツッコミが、同時に決まった。






























          「で、は何しに来たの?」

          「誤解を解きに来たんだよ。、今日は休みだっけ?」

          「ううん、違うけど」





          これから市中の見回りに行かなきゃいけない、と私はに伝える。















          「じゃあ、ちょうど良かった!
           話したいことがあるから、見回りしながら話すね」

          「う、うん、私は別にいいけど……」





          確か今日の見回り、総悟くんと一緒だったよね?
          もしかして原作の内容を教えてくれるのかもしれないし、
          出来ればと二人がいいんだけど……










          私が気まずい感じで総悟くんの方をちらっと見る。
          すると、総悟くんはため息を一つついて言った。














          「じゃあ、今日の見回りはとそっちのアンタに任せますぜィ」

          「総悟くん、いいの!?」

          「だって、友達と話す時間が欲しいんじゃないんですかィ?」

          「う、うん、それはそうだけど……」





          まさか、OKもらえるなんて思ってなかったからなァ……。















          「アンタのこと、今日は見逃してやりまさァ。感謝しな」

          「ありがとう、総悟v」





          と、和やかムードのように見える光景なんだけど、
          何故か二人は黒オーラを出していて。
          私はちょっと、後ずさった。















          「と、とにかく!私はちょっと外に出る用意してくるね」

          「解った、じゃあ屯所の外で待ってるね」

          「オッケー」

























          …………。










          「今、絶対の中で総悟の株が上がったよね!
           誰かさんと違って私が入ってきても冷静だったし」

          「…………」

          「まァ、アンタみたいなのが一人やって来たところで
           騒ぎ立てる理由もありませんからねィ」

          「…………」






          …………。















          「あー、解ったよ!俺が悪かったよ!!

          「別に土方さんが悪いだなんて言ってませんよォー」

          「なに一人でイラついてんですかィ〜?」

          「(なんでコイツら、こんなに息ピッタリなんだよ……!!)」










          「……あ、早く屯所の外に行かないとが先に来ちゃう!
           土方さんなんかにかまってる場合じゃなかった!!

          「なんだとテメェ、」

          「それじゃ、お邪魔しましたー!」

          「あっ、オイ……!」
















































          そんなわけで(?)、成り行きな感じがいっぱいだけど
          と一緒に市中見回りをしている私です。















          「で、。さっき誤解がどうとか言ってたけど、どういうこと?」

          「うん、総悟が言ってたことと関係あるんだけどね」

          「総悟くんが?」





          それって……










          『どうやら、万事屋の旦那には隠し子がいたみたいですねィ』

















          「銀さんに隠し子説のこと?」

          「そうそう、それそれ!」










          『もう新ちゃんにも仕事辞めさせますから。
           行きましょ、猿飛さん』

          『…………』





          『あ、今ってここまで来てたんだ……!』




















          「(たまたま通りかかって、原作のあの話だって解ったからね……
            にまで誤解されたら銀さんが可哀想だし、
            ここはこのちゃんが一肌脱いであげないと!)」





          は、何やら一人で考え込んでいる。















          「?」

          「あ、ごめんごめん」

          「それで、何が誤解なの?」





          そう問いかけた私に、は丁寧に説明を始める。















          「まず、その子どもが銀さんの隠し子っていうのは誤解なの」

          「あ、そうなんだ?」

          「うん」





          総悟も面白がってるんだよ、とは言う。










          「実は、ちょっとここから厄介なことになっていくんだけど」

          「原作が?」

          「うん」





          厄介、か…………。










          私が少し真剣になったのが解ったのか、
          で真剣な表情で話し出した。




















          「今回の隠し子の話……
           最終的には、高杉の話に繋がっていくの」

          「!」





          高杉…………




















          『少し弱そうだったんでなァ…悪く思うなよ』










          高杉晋助……
          土方さんが言ってた要注意人物、
          に「死ぬよ」とまで言わせたあの男…………。















 




          「これは、前回のお祭りの話よりもっと危険だよ。
           それでもは、止める気なんだよね」





          は、止める気なの?、とは聞かなかった。
          私が止める気でいることを、既に理解しているようだ。















          「うん……私は、高杉を止めるよ。
           そして、大切なみんなを守りたい」





          誰にも怪我とかしてほしくないんだよ。
          それがいいことなのかは解らないけれど、
          やっぱり原作を捻じ曲げてでもやり遂げたいことがあるから。




















          「……詳しく教えてくれるよね?」

          「もち!がやる気なら、私だって頑張るよ」

          「うん、ありがとう!」





          そして、この後の原作の流れについて
          私はから詳しく説明してもらった。





















































          の説明を聞いた後、私は橋田屋のビルに向かっていた。










          『とりあえず……子どもの方は銀さんに任せて、
           は橋田屋に向かうといいんじゃないかな』















          によれば、お登勢さんの指示で神楽ちゃんと新八くんが
          橋田屋に潜入するってことだったしね。















          「二人に、うまく合流できればいいんだけど……」





          が桂さんから聞いた話では、
          橋田屋は裏で攘夷志士と組んでるって話だった。
          それなら真選組の私がいた方がいいだろうし、
          何より、二人が心配だしね……。










          そんなことを考えているうちに、橋田屋のビルに着いた。


















          「えーっと……」





          神楽ちゃんと新八くんは……

























          「でも、神楽ちゃん……
           やっぱり、僕たち二人で行くのは危険じゃないかなァ?」

          「何言ってるネ。
           あいつら怪しすぎるし、ババァの言う通り調べるべきヨ」

          「それはそうなんだけど…………」















          「はーい!助っ人の真選組隊士・でっす☆」

          「って、さん!?

          「!!」





          私が背後から声を掛けると、案の定二人とも驚いて振り返った。















          「どうしてここにさんが……」

          「話は後だよ。それより、ここに潜入するんでしょ?
           私も一緒に行きたいんだけど、いいかな」

          「もちろんヨ!がいれば心強いネ」

          「それなら良かった♪」





          さてと…………。















          「潜入捜査と行きますか!」




















   ♪♪♪ あとがき ♪♪♪

さてさて、とうとうこのお話ですね!
ここから高杉の話に繋がっていくかと思うと、
妙にテンション上がります!

今度こそ、高杉をボッコボコに!!(違

ちゃんが絡むのは銀さんSideでも良かったんですが
ここは、あえて新八&神楽ちゃんSideでいきました。
こっちの方が、絡みやすそうだし(そこかよ

とにかく、今後ちゃんが絡めるように
下準備っぽい感じで書いていく予定です!
みんな大好き、紅桜篇ですからね^^