江戸にいる人たちって、なんだかすごいなぁ……。
そんなことを思いながら、あたしはまた星空を眺めていた。
行く先でまみえる者――エピローグ
とりあえず……
ここの大家さんであるお登勢さんに挨拶できたのは、良かったよね。
「銀さんの友だちにも会えたし……」
もっと仲良くなっていきたいな。
ほんとは攘夷時代のことも少し気になるけれど、
それはなんとなくタブーみたいだから……。
「……そういえば、」
攘夷と言えば、あの男……
『よォ……スパイとは、ご苦労なこったな』
高杉、晋助…………。
あれからにデータを見せてもらって、
あの男について調べたけれど……
「やっぱり、危険なのは間違いない……」
これからも警戒していかないとね……。
「ま〜た星でも観てんのか?」
「あ、銀さん……」
『高杉は、銀時やヅラとも何かあったみたいだね……
詳しくは知らないけど』
はそんなことも言ってた……。
『まァ、なんだ……奴とは昔からの仲でな』
やっぱり、攘夷時代からの知り合いってことなのかな?
どうしよう、聞いてみたいけれど……
「……ん? どうかしたのか?」
「あ、ううん……何でもないよ」
やっぱり、聞けないや……。
「んじゃ、そろそろ寝るぞォ〜」
「あ、うんっ」
『忘れんじゃねェぞ』
「…………」
“忘れるな”ってことは、
またあたしの前に現れる気なんだろうか。
あのとき、あたしの調査を手伝ってくれた真意も気になるし、
むしろ、また会わなければいけないかもしれないね……。
「何やってんだァ、」
「あっ、うん! 今行くよ〜」
とにかく、あの男が何か良くないことをする気なら、
あたしは全力でそれを阻止する。
この街で知り合った人たちに害がおよぶなら、
あたしが守ってみせるから……。
そう心に決めたあたしは、
机の上にある、束になっているフォークを見つめた。
To Be Continued...「あとがき(第三章)」