「はぁ〜……」
今日も寒いなぁ。
「でも、1年で1番寒いのって2月らしいよね」
今は1月だから、まだしばらく寒いのかぁ〜。
大丈夫かなぁ、私……。
「あら、〜♪」
「ルッス姐さん!
どうしたの、なんかご機嫌だね」
ルッス姐さんがスキップしながらやって来た。
「今ね〜、雪が降ってるのよ!」
「えー、ホント!?」
道理で寒いわけだ。
「そうなの。
だから、なんとなく嬉しくなっちゃって♪」
「分かる分かる!」
でも、そっか。
雪が降ってるのか〜…
……あ、そうだ!
「いいこと考えた♪」
「王子〜」
「何、どーかした?」
「今ね〜、雪が降ってるんだって!
だから一緒に遊ぼうよ」
雪だるまとか作りたい……
あ、雪合戦もいいかな?
「遊ぶって……外で?」
「もちろん」
「いや、でも……寒くね?」
それはそうなんだけど……
「雪が降るなんて珍しいしさ〜!
ね? 遊ぼうよー」
「ん〜……」
「ねっ?」
「……わかったよ」
やったー!
「ありがとう、王子! さすが優しいね」
「ししっ、だってオレ王子だもん」
あ、いつものセリフ来た!
「じゃ、寒いからあったかいカッコしてこ」
「カゼ引いたら嫌だもんな」
「そうそう」
帽子、手袋、コート、マフラーに……
……あっ!
「王子!」
「ん?」
「マフラー忘れてるよ」
「あ、マジだ」
マフラー無いとけっこう寒いもんね。
そう言いながら、私は王子のマフラーを巻いてあげる。
「はい、これでOKだよ!」
「……ん、ありがと」
「どういたしまして♪」
王子がお礼言った!
珍しいなぁ。
「何してんの、。
早く来ないと、オレ遊ばないよ?」
「え、やだ!
すぐ行くから考え直して〜!」
「冗談だって」
な、なんだ、冗談だったの……。
良かったぁ〜。
「ほら、行くよ」
「う、うん!」
王子は私の手を引っ張っていってくれた。
「うわぁ……!」
すごい雪ー!
ルッス姐さんがご機嫌になっちゃうのも分かる!
「で、何すんの?」
「うーんとね〜……雪だるま作る!」
「雪合戦じゃなくていいわけ?」
「それも考えたけど、王子には負けそうだからいい」
雪合戦とは言え、王子と戦ったら大変そうだし……。
「ま、オレはどっちでもいいけどさ。
じゃあ雪だるま作るか」
「うん!」
王子はなんだかんだ言っても、
私のワガママに付き合ってくれるんだよね。
ホントにありがたいなぁ。
「えっと……私は頭のを作るね」
「じゃあ、オレが体の方か」
「うん、お願いしまーす!」
すごくおっきい雪だるま作って、みんなに見せよっと!
「〜、もうそのくらいでいいんじゃね?」
「うーん……」
「あんまデカすぎると、乗せるとき大変じゃん」
「あ、そっか!
じゃあ、このくらいにする〜」
ベルが作ってくれた体の方に、これを乗せて……
「……と思ったのに、重たくて持ち上がらない」
「だから言ったじゃん」
「だ、だって〜……」
どうせ作るなら、おっきい方がいいと思ったんだもん。
「ま、お前らしいけど」
「それっていい意味?」
「たぶん」
「たぶん!?」
王子、ひどい……!
「ほら」
「え……?」
「頭、乗っけたけど。これでいいんだろ?」
「わぁ……!」
すごいすごい、本当に雪だるまだ〜!
「王子、ありがとう!」
「別にいいって」
「みんなにも見せようよ! 私、呼んでくるね」
「じゃ、オレは待ってるから」
「うん!」
みんな、びっくりしてくれるといいなぁ。
「まあ、すごいじゃないの〜!」
「よく作ったね」
「この寒い中……ガキはすごいぜぇ」
えへへ、褒めてもらっちゃった!
「王子が手伝ってくれたの〜」
「良かったわね、フ」
「うん!」
私だけじゃ、無理だったもん。
「王子、ホントにありがとう!」
「……言っとくけど、じゃなかったら手伝わないからね」
「……!」
それって……
私がトクベツだってこと、だよね……?
「なんで笑ってんの?」
「秘密〜♪」
明日は晴れるみたいだから、
きっとこの雪だるまは溶けてしまうだろう。
だけど、もし溶けたとしても……
「王子、また雪だるま作ろうね!」
「いいよ」
王子が一緒に作ってくれるなら、雪だるまはまた見れるよね。
ある、冬の日
(君の優しさが とてもあたたかかった)
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◇香さんのリクエスト夢◇
2008年・お年賀企画の第三弾でした。
ベルもちょっとずつではありますが、
自然な感じで書けるようになってきている……かもです。
急展開が特にない話も、個人的には好きですね。
まあ、急展開があったほうが起承転結はハッキリするから
そこはいいかなぁと思いますが。
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