「ー!」
「あ、おはよう!」
「誕生日おめでと! これ、プレゼントよ」
「わあ、ありがとう」
明日は私の誕生日だ。
だけど土曜日で学校が休みなので、
みんな今日プレゼントを用意してくれたみたい。
……――私は、いつもと変わらない生活を送っている。
平凡のように見えるけれど……
それがすごく幸せなことだと、今ならよく分かる。
「やっと授業終わった〜…」
「ふふ。じゃあ私、先に帰るね」
「うん、またね〜」
『さようなら』
『待て、……!!』
ディーノさんの大鎌で、私は自分を狩ったはず……
それなのに、何故かいつもの生活に戻っていた。
理由は分からない。
「でも、私は……こうして生きてる」
不思議だな……。
いつもの生活に戻りはしたけれど、
ひとつだけ今までと違うことが……
「お待たせしました!」
「はは、そんなに待ってねぇよ」
今こうして、私の隣にはディーノさんが居る。
私を護るために、自分を犠牲にしようとした……
大好きなディーノさんが、隣に居てくれる。
「明日は家族で過ごすんだろ?」
「そのつもりです」
「じゃあ、今日はオレに付き合ってもらうぜ?」
「はい!」
正直なところ、こうなった理由もよくは分からない。
だけどディーノさんも無事で、
それどころか人間になっちゃったみたいで……
「お前に最高のプレゼントをやるからな」
「はい!」
でも、理由なんて本当はどうでもいいんだ。
大好きなあなたと、一緒にいられるのなら――……
「アイツは本当に馬鹿な奴だぜぇ」
死神の力を失って人間になった跳ね馬。
オレは馬鹿としか思えない、だが……
……本人は幸せそうだからな。
「……本当は、あの文献を最後まで読むべきだったんだ」
あの文献の、最後の1ページ。
何も書いてない……わけじゃなかった。
「こうして、人間界のライトで照らすと……」
“私と同じ境遇の死神へ贈る唄を此処に”
「……つまり、だ」
この最後の1ページには、死神も人間も
両方助かる方法が書かれていたってわけだ。
“口付けをして死神の力を送り、
強大な力を持つ魂が自らを狩れば……”
「偶然とはいえ、それをやってのけたんだ。
ま、大したもんじゃねぇか」
さて、俺もそろそろ仕事に行くかぁ。
「、こっちだ!」
「待ってください、ディーノさん……!」
「……長生きしろよ、跳ね馬ぁ」
君を助けたくて、
(本当に助けられたのは オレだったのかもしれない)
→君を助けたくて、