「恭弥〜!」

「……!」










「どしたの、そんなにビクビクしちゃって」

「……別に」

「まったく可愛いな〜、恭弥は♪」

「……」


こんにちはー!
お初にお目にかかります、です♪

ちなみに、恭弥の彼女です!


今、恭弥は私の家に来てます。

私の両親は揃って海外に出張してて、
一人で住んでるような状態になっていたり。










「ねぇ、恭弥」

「何?」

「お風呂、入ってきて」

「……なんで」

「血の匂い、する……」


また何処かで群れを咬み殺してきたな?





「気にしなければいいでしょ」

「ダメ!」

「じゃあ、もう帰るよ」

「それもダメ! 
 せっかく来たのに……」

……」


だけど血の匂いがするのは、いかんよ。うん。

今日はお客も来るしね。
彼がビックリしちゃうわ!





「ねえ、入ってきてよ〜。
 私の大きめの服とか、着替えもあるし」

「……やだ」

「入ってきてください、雲雀さん☆」

「……!?」

「それとも一緒に入りますか? 
 ひ・ば・り・さ・ん?

「っ……」


くぅぅ……可愛い!
可愛すぎるよ、雲雀さんッ!!

マジで焦った顔とか最高……!










「雲雀さ〜ん?
 私は別に一緒に入ってもいいんですよ」

「……わかったよ。
 入ってくるから君はついてこないで」

「はーい!」

「はぁ……」


なんか溜め息ついちゃってるけど気にしなーいっ☆

それより、雲雀さんをイジめるのは楽しいよね!
迫ると顔赤くなったりして可愛いわ〜〜♪










ガラッ




「……お、」


お風呂のドアが開いた音だ。

うんうん、ちゃんと入ったみたいね!
良かった!



バシャバシャ



ちゃんと湯船にもつかってくれたんだ!
良かった、ちょっと予想して沸かしといた“かい”あったね!





「……うーん、それにしてもヒマだなぁ」


あ、そうだ!










「恭弥〜!」


ガラッ!





「……!?
 ちょっ……何、入ってきてるの?」

「このちゃんが髪の毛を洗ってあげるよ!」

「いいよ、別に」

「ダメ! 血の匂いが残る」


絶対、髪の毛に返り血がついたんだよ……
さっき血の匂いがしてたもの。










「……自分でやるからいいってば」

「嘘つけ!
 絶対めんどくさくて洗わないでしょ」

「…………」

「無言は肯定を表す。ってなワケで洗うよ!」

「いいって……」

「遠慮すんな!」

「(遠慮じゃない……!)」


あーもうッ! このワガママめ!





「じっとしててよ!」

「じゃあ、出てってよね」

「髪の毛を洗ったら出てく」

「……洗わないでいいから」

「ダーメー!!」















ピンポーン


……。


…………。





「……あれ? 
 姉ちゃん、いないのかな?」





「あっ、鍵は開いてる」





「おじゃましま〜す……。
 姉ちゃん? いないの〜〜?」















「ほら! 
 もう少しなんだから、おとなしくしてなさいよ!」

「もういいから、は出てって」

「出てかない! あと少しで洗い終わるし!」





「なんだろ……?
 洗面所のほうから声がするけど」





姉ちゃん……?」





「あ、」

「え?」

「…………」





「おぉ、ツナ! ごめん、
 インターホン気づかなかっ「ごごごごめんなさいぃぃ!!」

「あれ? 行っちゃった」















「(どどどどうしようっ! なんか変な現場、見ちゃった…!
 姉ちゃんとヒバリさんが一緒にお風呂に……
 と言っても姉ちゃんは服着てたけど……!)」















「よし、終わりーっと」

「…………」

「ムスッとしないでよ。
 ほら、ここに着替え置いとくからね」

「…………うん」

「じゃ、もう少しつかったら出てきなさいよー」





は何とも思わないのかな……」















「ごめーん、ツナ〜」

うううううんっ、別に大丈夫だよ!」

「恭弥がね〜、
 血の匂いするから私が髪の毛を洗ってあげたのよ」

「あ、あー……なるほど。
 ところで、姉ちゃんってヒバリさんと知り合いだったの?」

「知り合いって言うか……付き合ってる!」

「え!?」


ツナ、すっごい顔してるけど……
そんなにビックリすることかな?





「(ヒバリさんと付き合ってるなんて、すごすぎ……)」

「どした?」

「あ、いや……
 なんで付き合うようになったのかなー、って」


おっ! よくぞ聞いてくれました!





「あのね、恭弥ってちょー可愛いのよ!」

「か、可愛い……?(ヒバリさんが……?)」


ホントに、あの可愛さはどうにかならないものかね!





「うん、マジで可愛すぎ☆
 特にイジめたときの雲雀さん、最高!」

「イジめたとき……!?」

「焦ってる顔が良いわ……
 さん、ドキドキする!!」

「(この人、相当なSだ……!)」


ヤバいね、私ってSだったのね!
でもいい……可愛い雲雀さんを見れるなら!










姉ちゃん……
 ヒバリさんに対する呼び名、変わってるよ?」

「ああ、なんかSモードになると
『雲雀さん』って呼ぶみたい、私」

「(Sモードって何!?)」

「普段は『恭弥』♪」


最近、雲雀さんに言われて気づいたんですよ。

なんて、そうこうしているうちに恭弥がお風呂から出てきた。










「恭弥、出てきたんだね!」

「……まあね」

ヒィ……!(睨まれた……!)」

「ちょっとー、
 私の大事なイトコ、イジめないでよー」


恭弥は気に入らない人、すぐ咬み殺しちゃうからね。
釘さしとかないと!





「イトコ?」

「そうよ、ツナはイトコなの」

「…………へえ」

「(あぁ、俺もう完璧に目ぇ付けられたよ!!)」


ツナが焦ってるけど気にしなーい☆










「それにしても、雲雀さん……」

「なっ、何?(また、この呼び方……)」

「(もしや、Sモードってやつ……!?)」

「私の用意したTシャツとジャージ、似合いますね!
 めっちゃ可愛いー!
 写真撮っていいですか? ってか撮っちゃおう♪」


ケータイ、ケータイ…
あっ、あった!


ピロリロリ〜ン♪





「制服じゃない雲雀さん、かーわーいーいー!
 どうしよう、もうコレ……待ち受けにするしかあるまい!?」

「ちょっと……冗談でしょ?」

「冗談に聞こえますか? ひ・ば・り・さ・ん」

「……本気に聞こえるよ」


焦ってる焦ってる!
やだ、マジ可愛いー!










「可愛いなぁ〜、雲雀さんは! 
 もう、いっそのこと襲いたい勢いだわ」

「えぇっ!?」

「……か、咬み殺すよ、

「(ヒバリさんが噛んだーーー!!!)」

「ふふ、今のあなたに出来ますかね?」

「っ……」


ううっ……可愛すぎだ、雲雀さん……
どうしよう……!





姉ちゃん……」


俺はその日、ヒバリさんが焦ってるところを
初めて見たのでした。

そして、姉ちゃん……怖い……。



















Sな彼女!


(でも別れないってことは、ヒバリさんも姉ちゃんのこと本気で好きなんだろうなぁ)










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この手の話は、あまり修正を加えずに
テンションで乗り切らせるしかないと思いまして……
他に比べたらあんまり変えておりません。

変な言い回しとか、必要ないところをカットしたくらいで
大筋はそのままですね。

雲雀さんはカッコよくあってほしい派ですが、
何を血迷ったのか、過去のわたしはこんなお話を……

でも、まあ、これはこれで好きですけどね。