「……」
「……う゛お゛ぉい、なんか用かぁ?
人の顔、ジッと見やがって」
「スクアーロってさ……」
「ん゛ん?」
「もしかして笑い上戸?」
「…………はぁ?」
わらいじょうご
隣に居るこの女……名前は。
一応オレの恋人だ。
で、そいつが突然
オレに変な質問を投げかけてきやがった。
「だからさー、スクって笑い上戸なの?って聞いたの」
「……意味わかんねぇぞぉ」
なんでオレが笑い上戸とかいう結論に至ったんだ?
「それはねー、スクアーロがいっつもニヤニヤしてるから!」
「お前、心読めるのかぁ!?」
「フッ、この天下のちゃんをナメちゃいけないよー
スクアーロくん♪」
まさか、こいつが読心術を心得ているとは……
下手なこと考えられねぇじゃねぇか……!
「あははっ!
心配しなくても、心が読めるわけじゃないからさ」
「じゃあ、なんで……」
「うーん、スクって分かりやすいし」
は、へらっと笑ってそう言ってのけた。
いや、つーか……
「オレは分かりやすくねぇ!」
「何ムキになってんのー? 自覚しなよ、鮫さん」
「鮫じゃねぇ!」
「鮫だろうが」
「くっ……」
……って、なんで言い合いになってんだオレ!
(しかも言い負かされてる……!)
いや、今、気になるところはそこじゃねぇ!!
「お前には、オレがいつもニヤついてるように見えんのかぁ?」
「うん! だって何だかいつも楽しそうだよね」
「そりゃあ……斬ってるときなんかは」
「普段も楽しそうだよ?」
そうかぁ?
「うん! 王子なんかね、
『アイツ、ボスにドメスティックバイオレンス受けてるときも
笑ってる気がすんだよなー。
マジぜってぇMだってスクアーロは。キモッ!』
って言ってたしね」
ベル、ぜってぇ後で三枚におろす!!
「ね、それでどうなの? 笑い上戸なの?」
「違うだろぉ、たぶん……」
自分じゃあんまし分かんねぇが……。
「そっかな〜?
でも私もね、スクアーロがよく笑ってるところ見るよ」
「そんなに言うほど笑ってねぇぞ、オレは」
「でもな〜……」
と、は何故か悩み始めた。
つーか、別にそこまで悩むようなことでも……。
「ま、いっか! 笑い上戸にしろそうでないにしろ、
私はスクアーロが笑ってる顔が好きだからね」
「ばっ……!
何言ってんだぁ、お前!!」
「あ! もちろん真面目な顔も好きだよ?
ってかスクなら何でも好き!」
「と、りあえず黙れ!!」
何言い出すんだ、こいつは……!
「なんで黙らないといけないの?」
天然かぁ!?
天然でやってんのかぁ、こいつは!?
……なんて心の中でツッコミを入れていると、
バタンっと音を立て、急に部屋のドアが開く。
「! この私が理由を教えてあげるわよー!!」
「ルッスーリア!」
「つーか勝手に入ってくんなぁ!」
ここはオレの部屋だぞぉ!!
「ルッスーリア、何か知ってるの? 教えて教えて〜」
「いいわよ〜♪」
「う゛お゛ぉい、ちょっと待て……!」
「スクアーロはちょっと黙ってなさいよ!」
「ぐっ……」
オレは、ルッスーリアにぶん殴られてその場に倒れた。
「ルッスーリア! 早く教えて〜!」
「はいはい、少し落ち着きなさいな」
つーか、……
少しは心配しろよぉ……
「スクはね、に『好き』って言われて照れてるの♪
だから黙れとか言ってるのよ!」
「え、ホント!?」
「もう、ホントにスクアーロはツンデレよね〜」
つーかツンデレとか、お前が言うときもい……
「そうなんだ〜、嬉しいな♪」
「まあ、可愛いわね〜は!
そんなあなたに、もう一つ教えてあげるわ」
「え! なになに!?」
「ルッスーリア、お前……何を言う気だぁ!?」
オレは何とか立ち上がり、ルッスーリアを止めに行った……
「お黙り」
……が、再びぶん殴られて倒れた。
(つーかオレ、めちゃくちゃだせぇ……!)
「それで、ルッスーリア!」
「ちゃんと教えてあげるから落ち着いて?」
「うんっ」
おい、……
もうオレのことは完全無視かぁ……?
「スクアーロはね〜……
あなたといると幸せだから、いつもニヤニヤしてんのよー」
「お゛ぉい、ルッスーリア、てめぇ……!」
「えー! マジですか!」
「マジよ〜♪」
くそっ!
このオカマ、ぜってぇ後で三枚におろす!!
「スクアーロ、スクアーロ」
「あ゛ぁ?」
が、倒れてるオレのところに駆け寄ってきた。
いや、つーか……
もっと早く来てくれても良かったんじゃねぇかぁ?
「私もね、スクアーロと一緒にいたり、あと見かけたりすると
嬉しくてにこにこしちゃうよ」
「……!」
全く、こいつは……
「……愛してるぜぇ、」
「うん……私も好きだよ」
「そばにいてくれてありがとうなぁ」
「うん!」
なんだか妙に嬉しくて、オレはこいつをそっと抱きしめる。
「あらあら……私はお邪魔みたいね」
ルッスーリアはいつの間にか居なくなっていた。
……まぁ空気読んだみてぇだから、
今回おろすのはやめにしといてやるかぁ。
「ところでスクアーロ」
「ん゛?」
「この間ね、マーモンが
『スクアーロ? あぁ、確かにMかもね』
って言ってたよ」
「あのガキぃ!
ぜってぇ後で三枚におろす!!」
+++++++++++++++++++++++++++++++
これを書いていた当初、スクアーロにツッコミを入れまくる
「スクアーロ☆ツッコミ祭り」なるものが開催されていたようです。
たぶん、わたしの中でだけ、だと思うのですが……。
確か、友人が「スクアーロがいつも笑ってる」と言うので、
「冗談だろ」とか思ってコミックス読み返したら……
笑うシーンじゃないところでも顔が笑っていたので、
え、ほんとだ……とか思って書いたんだと思います。このお話。