「……話の続きはこの騒ぎが収まってからだな。
 お前はここにいろ、

「でも、」


獄寺もディーノさんと一緒に行くんだよね?
それなら私も……!










「ここはお前が行ってこい、

「リボーン!」


なんでここに……!?





「待ってください、リボーンさん!
 こいつに戦わせる気ですか!?」

「獄寺……」


やっぱり、私には無理だと思ってるんだ。
でも、私は……










「獄寺、お前は残っての戦いを見とけ」

「ですが……!」

「見てろ」

「っ……分かりました……」





「オレが見た限り、敵は弱小マフィアだ。
 お前ならできるぞ」

「……うん」


私はいつの間にか流れていた涙をぬぐって、そして……
ディーノさんが駆けていったほうを真っすぐ見つめた。





「……気をつけろよ」

「うん」


私の力……
見ててね、獄寺……!










「ディーノさん!」


 良かった、お前も手伝ってくれ」

「はい!」


とは言え、このまま屋内で戦うのは……





「ディーノさん、ここでは思うように戦えません。
 屋外に……飛行場のほうへおびき寄せましょう!」

「そうだな!」


再び駆け出したディーノさんに、私も続いた。










「オレたちも外に行くぞ」

「は、はい!」










「お前に個人的な恨みは無いが、これも仕事でな。
 死んでもらうぜ、跳ね馬ディーノ!!」

「そいつは、ごめんだな!」


そう言ったディーノさんは、
ムチを華麗に使いこなして敵を倒していく。





「へっ、こっちは子供……しかも女か。
 ちょろいな!」

「……!」








!」


獄寺が心配してる……でも……





「私は……これくらいじゃ負けない!」


私は、普段隠し持っている武器を取り出し……





「ぐっ……!」


襲い掛かってきたやつを、すぐに戦闘不能にした。





「あれは……!」





「私の武器は……1対の短剣なんだよ」


こちらを見て驚いている獄寺に、私は微笑みかけた。










「短剣で二刀流というのは、普通に使いづらいんだがな。
 の機敏さで、それがカバーされてるんだ」

「あいつ……あんなに強かったのか……」










「いい気になるなよ、クソガキ!」





、後ろ行ったぞ!」

「はい!」


仲間がやられたことで怒りを露わにした敵が、
私の背後から襲い掛かってくる。

けど、ディーノさんが声を掛けてくれたおかげで
私は危なげなく敵を戦闘不能にした。





「やるな!」

「ありがとうございます」


まだ会って間もないけれど、
ディーノさんも変なお世辞を言う人ではないだろう。

だから私も、素直にお礼を言うことができた。










「気を抜くなよ、貴様ら!!」

「「……!」」


私とディーノさんに向かって、別の敵が襲い掛かってくる。

それぞれ距離を取って攻撃はかわしたけれど、
うまく分断されてしまった。










「まぁ、跳ね馬よりはこいつの方が倒せるか」

「ああ、そうだな」

「……」


私の戦闘スタイルだと、
とにかく一人ずつ確実にいくしかない。



『お前ならできるぞ』



あのリボーンもそう言ってくれたんだ。
私なら……できる……!










「跳ね馬と一緒だった自分を呪うんだな!!」

「死ねぇ、クソガキ!!」






! 右だ!」


再び敵が襲い掛かってきた直後、
そんな声が聞こえて……





「……!」


私はとっさに、右から仕掛けてきた敵を倒した。

同時に襲い掛かってきた二人のうち、もう一人は……





「果てろ!」


振り返ると、獄寺がダイナマイトを浴びせているところだった。










「リボーンさんの言う通り、
 こいつら数だけで大したことねぇな」

「獄寺……」


今の状況だと、確かに……
私の体勢からして、右側の敵は倒しやすかった。

でも、左側から来た敵が
大人しく待っているわけもないし……





「あ、あの……ありがとう」

「ああ」


きっと、私の動きやすいほうを指示して、
もう片方の敵を倒しに来てくれたんだろう。









「お前のことだったら……
 オレが一番分かってるからな」

「……!」


私の武器や戦い方を見たのは、今日が初めてなのに。
そうやって私のことを、ちゃんと理解してくれる。

だから、私は……君に惹かれたんだ。





「とっとと片付けるぜ」

「うん……!」










「やっぱ、のパートナーは
 スモーキン・ボムが一番みたいだな」

「分かりきってたことだろ」

「まあ、そうだけどよー……
 オレとのコンビも良かったと思わねぇ?」

「思わねぇ」

「って、リボーン!」










「一か所に集めて、オレが一層する!
 お前はその直後を狙え」

「分かった!」










は……獄寺と一緒の方がイキイキしてるからな」

「……ああ、そうだな」




















「……終わったね」

「ああ」


本当に、数だけはすごかった……。





「一般人がたくさん集まる場所で、
 一時はどうなるかと思ったけど」


大きな被害がなくて本当に良かった。

ただ、居合わせた人たちへの説明が
大変そうではあるけれど……

そこは、ディーノさんが何とかしてくれるだろう。












「ん?」

「オレもお前のことが好きだ」

「……!」


話が途中だったのもすっかり忘れていたのに、
まさかそんなことを言われるとは思ってなくて……





「オレと一緒に……ボンゴレを支えてくれるよな?」


何も言えずにいる私に、獄寺が言葉を続ける。





「返事を聞かせてくれ」

「っ……」


本当は、すぐに返事をしたかった。
でも、キャバッローネ入りは自分の決めたことなのに……

そう思って、ディーノさんのほうを見てみると。





「……」


優しく微笑んで、頷いてくれたのだ。

心なしか、隣に居るリボーンも
いつもより優しい顔をしている気がする。


――自分で選んでいいんだぞ。

そう言ってくれているようだった。










「私……」

「ああ」

「やっぱり……獄寺とずっと一緒に居たい」


まだまだ力不足だけど。

もっと強くなって成長して、
ボンゴレを支えていける存在になるから。





「だから……そばに居てもいい?」

「当たり前だろ」


そうして即答してくれたことが、本当に……
本当に嬉しかった。










「ありがとう、獄寺……」

「……それはこっちのセリフだ」


オレを選んでくれて、ありがとな。




















私のほうこそ、ありがとう。


(そう言うと、珍しく照れたように笑った)








家庭教師ヒットマン REBORN!