あたしは、本当はそんなに強くない。
          だけど、それを知られるのも嫌なんだ。


          でもね……



          そう思うのと裏腹に、あたしは弱いことを誰かに知ってもらいたいと、
          そんなことを思っている自分もいるんだ。


          あたしは矛盾している…………







          でも、いつかそんなあたしを受け止めてくれる人が
          現れるんじゃないかって、淡い期待を持ってるの――…………






















僕の前に現れた君――プロローグ































          あたしは、本当はそんなに強くない。

          妹が家を出たあの日から、もっと弱くなってしまったこと、
          あたしは自分で解っていた。

          それを、今も隠し続けて過ごしている。



          でも……もう限界だよ…………





          誰か……誰か、助けて…………



          あたしは一人じゃ淋しくて仕方がない人間なんだよ…………







          誰か……あたしに会いに来て…………



          あたしはここにいるよ…………





















          『よォ、君がちゃんだよな?』


          一人暮らしのはずなのに、誰かの声が聞こえた気がした――











          『一緒に行くぞ』



          あたしは……誰かがそう言って手を差し伸べてくれるのを
          ずっと待っていたのかもしれない――…………


















          To Be Continued...「第一話 僕の前に現れた君