一緒に調査をするためターミナルで落ち合い、
          ゲート内にて調査対象の船を見つけたあたしと土方さん。

          土方さんが奴らの注意をそらしてくれたから、
          後はあたしが船内を調べるだけだよね。


          気合入れていかないと!




















僕らが過ごす日々――第四話 再び闇とまみえる刻



































          風の流れからして、怪しいのはこの辺りだよね……






          「ここかな?」


          ……!





          「これは……白い粉?」


          もしかして、危ない薬とか?
          とにかく、少し持ち帰って分析してもらうしかないか……。





          「…………よし」


          分析してもらうための粉は手に入ったから、
          今日のところはこれで退くべきだね。





          「土方さんは大丈夫かな……」


          おそらく、退くタイミングは心得てるだろうから
          そんなに心配いらないと思うけど……。













          「ま、こうして成果も得られたわけだし……
           …………って、あれ?」


          さっき手に入れた粉が無い……!?
          一体どこに…………







          「……!」


          船の通路に落としてきちゃった!?

          今から取りに戻れば、
          騒ぎを鎮圧した乗組員とはち合うかもしれないし……







          「あっ」


          言ってるそばから……!







          「どうしよう……」


          でも、幸い一人しかいないみたいだし……
          どうか、気付かずに立ち去って……。















          「…………」


          って、拾っちゃった!?

          しかも仲間もたくさん来ちゃった!?






          「〜〜……〜」

          「……〜〜」


          なんて言ってるのかな……
          遠すぎてよく聞こえないけど……






          「……あ、仲間はどこかに行ったみたいだね」


          あの人から、どうにかして粉を奪わないと……。





          「やっぱり気絶させるしか……」


          そう思ったあたしが、その乗組員に近づくと。















          「、いるんだろ?」

          「……!!」


          この声、は…………





          「しん、すけ…………?」


          あたしが落とした粉を拾ったの、晋助だったんだ……。





          「これが欲しいんだろ? 降りてこいよ」




          「…………」





          「クク……やはり来ていたか」

          「……あたしが来ること、解ってたの?」

          「まァな……密輸の疑いがあるこの船にいれば
           そのうち会えるだろうと思っていたのさ」


          どういうこと……?





          「晋助は……コイツらの仲間じゃないの?」

          「こんなバカ共の仲間になった覚えなんざねェよ。
           ただお前に会うために、潜り込んでいただけのこと」

          「あたしに……?」


          一体どうして……。






          「こないだの一件から、お前に興味を持ってなァ」

          「…………」

          「だが、証拠品を落とすとは、
           なかなか抜けてるところもあるようじゃねェか」

          「……! そ、それは……」


          ちょっと考え事してて……






          「今回だけ……たまたまだよ!」

          「ククッ……そういうことにしといてやるよ」


          なんで上から目線なの、もう!















          「ほらよ」

          「……!」


          晋助は、さっきまで手にしていた証拠品の粉を
          あたしの方に投げた。





          「どうして、」

          「それが欲しかったんだろ?」


          それはどうだけど……。





          「晋助は……
           どうしてあたしに協力してくれるの?」


          前もそうだった。

          あのとき、あたしたちはお互いの顔すら知らなかったのに、
          晋助はあたしの調査に協力してくれた。






          「その真意は何?」


          何が目的なの……?






          「真意、か」


          晋助は、ふっと笑みを浮かべ、口を開いた。






          「それは……」

          「…………」




















          なんとか騒ぎを起こすことは出来たが……




          「アイツは無事だろうな……」


          早く合流しねェと……





          「……!」


          アイツ、なんで高杉と……!





          「チッ……!」















          「真意、か」

          「…………」

          「それは……」






          「!」

          「……!」

          「あっ、土方さん!」


          見たところ、怪我は無さそうだが……。





          「大丈夫か?」

          「は、はいっ!
           調べがいのありそうなものも、手に入れましたし!」


          そう言って、俺に白い粉のようなものを見せた。













          「土方……真選組の土方か。
           、お前意外と顔が広いんだなァ」

          「…………」

          「高杉……なんでテメーがここにいる?」


          俺は高杉からをかばうようにして間に立った。






          「に会いに来たんだよ」

          「……どうしてテメーがコイツに会う必要があるんだ」

          「さァな……テメーなんぞに答える気は無ェ」


          ナメやがって……。















          「オイ、

          「なっ、何?」

          「“真意”は次の機会に教えてやるよ。
           ……じゃあな」

          「あっ、晋助……!」


          野郎、逃がすかよ!






          「待ちやがれ!」















          「なんか、こっちから声が聞こえたぞ?」

          「誰かいるのか?」



          チッ……






          「クク……早く逃げた方が身のためだぜ?」


          そう言い残し、高杉は去っていった。










          「土方さん、ここはもう……」

          「あァ……使えそうなモンも手に入れたし、退くぞ」

          「はい!」



          『あっ、晋助……!』








          「…………」


          やはりコイツは……
          は、前に高杉と会っていたんだ。


          後でを問いただす必要があること、
          そのとき俺は再確認したのだった。




















          To Be Continued...「第五話 ただ一つ護りたいもの