キーンコーンカーンコーン……
「さーてと……」
今日は寄り道しないで帰ろうかな。
あ、みんながいつものとこに寄るって言ってたっけ。
「私も行こうかな……」
私の名前は高倉花梨、高校一年生。
入学してからしばらくは慣れない生活に苦戦してたけど、
今は友達もたくさんできたし、とても楽しい毎日を送っている。
……ん?
「……流れ星?」
まさか、昼間に見えるわけないか。
きっと、見間違いだよね……
「あれ?
この辺にモミジなんてあったっけ?」
突然、空からモミジが降ってきて、
思わずそれを手に取った。
「まだ枯れる季節じゃないのに……。
わっ、わっ、な、何……!?」
手に取ったら、色が変わっちゃった……!?
時空はゆがめられた。在るべき姿を取り戻せ。
「な、何、なんなの!?」
誰の声!?
その葉が正しい時間を取り戻したように。
――怨霊を浄化せよ――
「やだ、何よ!」
――そして、その後……
綺麗な鈴の音が何度も、聞こえた気がした――…………
「何、なんなの? ここ、どこ!?
これはなんなの……!?」
鈴の音がしたと思ったら、変なところに来ていた。
我は龍神……
そなたを選びし白きモノ。
それは、我が「龍の宝玉」。
汝、宝玉に選ばれた我が神子となる者。
「ミコ? リュウジンって何? これは夢か何かなの?
私、学校から帰る途中だったはずなんだけど……」
歩きながら寝ちゃうなんて、私そんなこと出来たのかな……?
汝、その名を答えよ。
「え? な、名前? 名前は高倉花梨、だけど……」
次に、汝の生まれた月日を答えよ。
「誕生日は十月十日……」
何、これ…まぶしいっ……
「これは、夢なの……?」
きっと、ちょっと変わった夢なんだよね……?
そんなことを考えていると、またあの鈴の音が聞こえる。
時空はゆがめられた。在るべき姿を取り戻せ。
「それ――さっきの言葉!?
じゃあ私、やっぱり夢を見てるのね。
……帰り道で? うわあ、それは困る。早く目を覚まさなくちゃ」
夢ではない。汝は時空がゆがめられた葉を、在るべき姿に正した。
龍神の力を使うことのできる神子として、時空が汝を選んだ。
「な、何を言ってるの? 全然解らないよ」
もっと、ちゃんと説明してよ……!
汝は必要とされている場所で目覚める。
我は今問おう。
汝が人の心で最も大切だと思うものを答えよ。
「人の心で、もっとも大切なもの――?」
それは……
“すべてを見つめる賢さ”
わっ! また、まぶしい……!
汝の答えは我が心に刻まれた。
汝に玄武の加護を与えよう。
汝は我が選んだ龍神の神子。
京の力を――汝に見方する五行の力を得よ。
八つの宝玉は汝の八葉を選ぶ。
八葉を得て、京の未来を守れ。
それこそが汝の世界へ続く道となろう。
――目覚めよ、我が神子。
目覚め、時空の在るべき姿を取り戻せ。
――京を救え――