「うーん……」
なんだか、あたしの予想はけっこう当たるみたいで……
それを念頭に置いて、ちょっと状況を整理してみようか。
花梨ちゃんが院側のみんなと一緒に行動している中で、
青龍と朱雀を解放したんだよね。
「ということは……」
これから帝側のみんなと行動していく中で、
白虎と玄武を解放していくんだろうなぁ……。
それには何か課題をクリアしないといけないみたいだから、
あたしも手伝えるといいんだけどね。
「おはよう、」
「あ、おはようございます、勝真さん!」
今日から、本格的に行動開始でしたよね!
「とりあえず、俺はこれから花梨のところへ行く。
、お前はどうする?」
「はい、あたしも行きます!」
あたしに何が出来るか解らないけど、
そこに居なきゃ何も出来ないから。
「じゃあ、行くか」
「はい!」
やったぁ、二人でお出掛けみたい!
……って何を考えてるんだ、あたし!
やっぱり、勝真さんのこと好き、ってことなのかな……
「どうなんだろう……」
まだ確信が持てないよ……。
「?」
「……え?」
「どうかしたのか?」
「あ、いえ……何でもないですよ。 さ、行きましょう!」
「あ、あぁ」
よく解らない。でも、解るときが来るのかもしれない。
今は……まだ深く考えるのはやめておこう。
「ごめんくださーい!」
「様、勝真殿! いらっしゃいませ」
「おはよう、紫姫!」
「はい、おはようございます」
あ〜、やっぱり紫姫は可愛いなぁ。
「花梨ちゃん、いる?」
「申し訳ございません……
神子様は今しがた、お出掛けになったのです」
なんと!
「入れ違いになったか……」
「どうします、勝真さん?」
「わざわざ追いかけるのも、な」
そうだなぁ……
「じゃあ、あたし達はあたし達で、京の見回りをしませんか?」
怨霊がいるなら退治すればいいし!
「……そうするか」
「はい!」
「わざわざお越し頂いたのに、申し訳ございません……」
「紫姫のせいじゃないよ!
ほら、具現化とか他にもやることあるからさ。 大丈夫だよ!」
「……はい、様」
良かった、紫姫も元気になったみたい。
じゃあ、さっそく見回り開始ーーーーー!!
「東寺だ!」
確か、火属性の場所!
「勝真さん、ここで具現化してみませんか?」
「具現化……この間お前が言ってたやつか」
「はい」
個人的に回復のお札がたくさん欲しいですけどね……。
(上手くいくのかは謎だよね。)
「……そうだな、やってみるか」
「はーい!」
ん? ここはウサギじゃないんだな……
タイミングが重要みたいだね。
それからあたしと勝真さんは朱雀門、
船岡山へと足を進め、どんどん具現化していった。
「はぁ〜、さすがに疲れました……」
「お前がはしゃぎすぎなんだよ」
『うわあ! やっぱり船岡山はすごーい!!
景色が最高ですよ、勝真さーん! ほらほら!!』
「……確かに、ちょっとはしゃいじゃった気もしますが」
「ちょっとどころじゃないだろ」
「そ、そんな事ないですよ!」
景色が素敵な所が大好きなだけです!!
「……そろそろ日も暮れてくる。今日は帰るか」
「はい、そうですね」
お札もいっぱいだし、あたしは満足!
「土地の力も高まったようだし、収穫もあったな」
「はい!!」
それから……
今日ずっと勝真さんと一緒にいて解ったんだ。
あたし、やっぱり……
この人のことが……好きみたいだ…………。
『疲れてないか、?』
『はい、大丈夫です』
『疲れたら遠慮しないですぐ言えよ。
お前が無理していると、俺もつらいからな』
『……! ……はい!』
この世界にやって来たあたしを助けてくれたこの人が、
あたしを気遣ってくれるこの人が、
意地悪も言ってくるけど、やっぱり優しい勝真さんが……
好きなんだ…………