あたしが故郷を出てやってきた場所――江戸。

          ここにはたくさんの人が住み、
          そして毎日を様々な形で過ごしているみたい。




          新八くんや神楽ちゃんの話では、
          銀さんの知り合いもたくさんいるんだって。







          「その人たちにも、会ってみたいな…………」
























行く先でまみえる者――プロローグ






























          もちろん、銀さんの知り合いもだけど、
          出来るだけたくさんの人に会ってみたいよね。







          「友達もできるといいなぁ……」


          ……なんて、小さな子どものようなことを
          考え込んでいたときだった。







          「、何してんだ?」

          「あ、銀さん」


          ベランダにいたあたしのところへ、銀さんがやって来た。







          「今ね、星を観ていたの」

          「星?」

          「うん」


          あたしは星を観るのが好きで、綺麗な星空を見つけると、
          いつも時間が経つのも忘れて観ていたのだ。




















          『、来て! 星が綺麗だよ!』

          『どれ……?
           ……あ、ホントだ』

          『でしょ!』

          『うん』



          とも、よく一緒に観てたな……。



          あたしとってあんまり趣味が合わないんだけど、
          星に関しては、それは無かったかな。















          「ねぇ、銀さん?」

          「ん?」

          「人は星の数ほどいるって聞いたことあるけれど……」

          「…………」

          「こんなにたくさんの人に会えたら、それってすごいことだよね」


          この世に存在している全ての人に会うこと、それは難しいことだと思う。

          でも、これだけの人がいるってことは、
          それだけたくさんの人に会える可能性があるんだよね。






           「銀さんの知ってる人にもたくさん会いたいな」

           「やめとけ、俺の知り合いなんてロクな奴いねーから」

           「あはは」


          でも“類は友を呼ぶ”って言うからね。






          「とにかく、まずは地理を覚えなくちゃ」


          そうじゃないと、何も出来ないし……。






          「それはそーかもしんねェけど、焦んなくてもいーんじゃねェの?
           出掛けるときは、俺も一緒に行くし」

          「だけど毎回お願いしたら悪いし……」


          銀さんだって忙しい……よね?






          「いーんだよ、俺が一緒に行きたいんだから」

          「銀さん……」

          「それより迷子になった方が大変だろ?」


          まぁ、それもそうかなぁ……






          「……じゃあ、しばらくお願いするね」

          「あァ、銀さんに任せときなサイ」

          「うん!」

          「んじゃ、そろそろ寝るぞォ〜」

          「はーい」






          これからどんな出会いがあるのかな……。


          そう考えると、なんだかわくわくしてしまって
          あたしはなかなか寝付くことが出来なかった。




















          To Be Continued...「第一話 四天王の一人