遙かシリーズが十周年とのことで、お祝いをしようと思います。
でも一人一人やるのは大変だし
みんなのスケジュール(?)が合わなかったので
とりあえず月ごとに集まってもらうことにしました。
2010.2 秋月千夜
「…………ということで、あたしがお三方を集めました!」
二月某日、都内某所にて。
ここに、二月に誕生日を迎える面々が集められていた。
管理人である秋月千夜は、その旨をその面々に伝える。
「なるほど、あなたが案内役というわけですね」
「そうです、弁慶さん!」
武蔵坊弁慶が確認をすると、管理人は一ヶ月前と同じように元気よく答えた。
「お祝いですか……何だか楽しそうですね」
「うん、きっと楽しいよ、詩紋くん!」
「……下らぬ」
「まあまあ、そんなこと言わずに、サティ」
「…………」
弁慶に続き、思い思いのことを口にする流山詩紋とナーサティア。
ナーサティアに関しては、管理人の馴れ馴れしい態度が気になるようではあるが。
「まあ、たまにはこういった非日常的なことがあってもいいでしょう。
せっかくだから僕は楽しみますよ」
弁慶のこの変わり身の早さというのは、さすがである。
「それで、僕たちは具体的に何をすればいいんですか?」
自分たちが集められた意味が解ったが、これから何をするのかは検討もつかない詩紋。
管理人の説明を待ちきれず、自ら質問をした。
「はいはい、ではこれから詳しく説明しますよ!」
そう言いながら、管理人は一ヶ月前にも持ち出したボードを取り出す。
そして、一部分を隠している紙をめくって言った。
「二月生まれへの指令:幼馴染になりきれ」
あの後、指令を見た管理人たちは、場所を移した。
管理人が権力を行使して用意した例の大きな館である。
どうやら、一ヶ月前と同じように、ここから扉を開けてそれぞれの道へ進むらしい。
「着替えも済みましたね!
うん、皆さん似合ってます♪」
管理人の説明によると、これから現代に行き、幼馴染になりきって生活するという。
よって、三人は服装も現代のものに着替えていた。
「この格好も、久しぶりな気がします」
そう言ったのは詩紋だった。
詩紋はもともと現代からやって来たから、この服装に何の違和感もないのだろう。
それどころか、どこか懐かしさを感じているようだ。
「僕は、何だか不思議な感じがしますが……」
反対に、不思議そうな顔をしているのは弁慶だった。
ナーサティアも同様の反応を示しているが、口には出さないでいる。
「……ところで、我々は誰の『幼馴染』とやらになればよいのだ」
やっとまともに会話したナーサティアは、
詩紋や弁慶も気になっていたことを管理人に問いかけた。
問われた管理人は、笑顔で答える。
「もちろん、さんですよ!」
「えっ、さんの?」
驚きの声をあげる詩紋。
ならば、一体相手は誰だと思っていたのか、管理人にとってはそちらの方が疑問である。
「とにかく!お三方には、さんの幼馴染になりきって
現代でしばらく生活してもらいますからね」
そう言いながら、管理人は三人を扉が並ぶ場所まで案内した。
「ここに三つの扉がありますが、お三方にはそれぞれ別の扉を開けて頂きます」
「なるほど……それで、どの扉を開ければいいんですか?」
「詩紋くんは左の扉、弁慶さんは真ん中、サティは右で」
「ふふ、解りましたよ」
一通り説明をした管理人は、最後に言った。
「それでは、お三方。幼馴染として行ってらっしゃい!!」
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