遙かシリーズが十周年とのことで、お祝いをしようと思います。
          でも一人一人やるのは大変だし
          みんなのスケジュール(?)が合わなかったので
          とりあえず月ごとに集まってもらうことにしました。

                                  2010.5 秋月千夜




















          「…………ということで、あたしが皆さんを集めました!」



          五月某日、都内某所にて。
          ここに、五月に誕生日を迎える面々が集められていた。
          管理人である秋月千夜は、その旨をその面々に伝える。










          「ということは……君が案内役かな?」

          「その通りです、翡翠さん!」



          翡翠が確認をすると、いつも通り管理人は元気よく答えた。
















          「祝いの宴か……いいかもしれないな」

          「おっ、敦盛も賛成派?」

          「私も賛成よ」

          「ありがとう、朔!」



          管理人の言葉に対し、前向きな意見を述べる平敦盛と梶原朔。
          










          「フン……人間の考えそうなことだな」



          そう言ったのは、唯一メンバーの中でしかめっ面のセフル。
          ここに呼び出されたこと自体不服のようで、先ほどからずっとこの表情である。














          「まあまあ、セフル。
           おそらくいいこともあるだろうから落ち着いて」



          管理人の言葉に対し、セフルは一層眉間に皺を寄せてしまう。
          このままではラチがあかないと判断した管理人は、
          今回の趣旨について説明することにした。




















          「では、ここいらでちょっと説明をしますね!」



          そう言いながら、管理人は毎回持ち出しているあのボードを取り出す。
          そして、一部分を隠している紙をめくって言った。















          「五月生まれへの指令:食堂の店員になりきれ」
















































          あの後、指令を見た一行は場所を移した。
          管理人が権力を行使して用意した例の大きな館である。
          どうやら、いつもと同じように
          ここから扉を開けてそれぞれの道へ進むらしい。















          「着替えも済みましたね!
           うん、皆さん似合ってます♪」



          四人はこれから現代に行き、食堂の店員になりきるのだという。
          よって、服装もそれに見合うものに着替えていた。










          「花梨たちは、こんなものを着ていたんだね」



          翡翠がそんな感想を述べた。
          さすが年長者と言うべきか、この状況を彼なりに楽しんでいるようである。
          















          「なんだか落ち着かないが……」

          「でも似合ってるわよ、敦盛殿」

          「そういう朔も似合ってる!」



          着慣れない服に困惑しつつも、きちんと着替え終えた敦盛。
          バッチリ着替えている朔と合わせ、
          異様に似合っている二人に驚きつつも管理人はこっそり満足していた。




















         「これを着て、食堂という場所に行けばいいのか」



          敦盛がそう言うと、管理人は補足を加えた。









          「うん、まあ……でも、男性陣には料理してもらうから」

          「料理、か?」

          「うん、そう!」



          困惑している敦盛に向かって、満面の笑みで答える管理人。















          「とは言っても、向こうに行けば色々うまくいくようになってるから
           そんなに心配しなくても大丈夫だよ」

          「そ、そうか」

          「私はどうすればいいのかしら?」

          「朔は、食堂のおかみさん的立ち位置!」

          「ふふ、解ったわ」



          管理人の言葉に、朔が笑顔でうなずいた。



















          「で、四人には食堂でさんに接客して頂きます!」

          「あの女に……?」



          今まで不機嫌オーラを漂わせていただけのセフルが、の名前に反応した。










          「まあ、接客方法は色々あるでしょうが……
           それは、皆さんにお任せしますので」

          「そうなのかい」

          「はい……でも節度を守ってくださいね、翡翠さん?」

          「はは、どうして私だけなのかな」

          「いや、あなたしか注意は必要ないですから……」



          管理人は珍しく一枚上をいく相手と遭遇し、
          微妙な心境になっているようである。
















          「とにかく!向こうに続く場所までご案内しますからね」



          そう言いながら、管理人は四人を扉が並ぶ場所まで案内した。







































          「ここに三つの扉がありますが、
           皆さんにはそれぞれ別の扉を開けて頂きます」
 
          「それで、どの扉を開ければいいんだい?」

          「セフルが左の扉、翡翠さんが真ん中で、敦盛と朔は右」

          「ああ、解った」



          一通り説明をした管理人は、最後に言った。















          「それでは、皆さん。食堂の店員として行ってらっしゃい!!」






          → 左の扉

          → 真ん中の扉

          → 右の扉



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