遙かシリーズが十周年とのことで、お祝いをしようと思います。
でも一人一人やるのは大変だし
みんなのスケジュール(?)が合わなかったので
とりあえず月ごとに集まってもらうことにしました。
2010.8 秋月千夜
「…………ということで、あたしが皆さんを集めました!」
八月某日、都内某所にて。
ここに、八月に誕生日を迎える面々が集められていた。
管理人である秋月千夜は、その旨を彼らに伝える。
「あんたの言う通りにすればいいのか?」
「そうだよ、イノリ!」
イノリの問いに、いつも通り元気よく答える管理人。
「十年かぁ……なんかめでたいな!」
「足往もそう思ってくれるよね!」
薄っすら意味を理解しているらしい足往も、乗り気である。
「ま、俺も祭りは好きだからいいと思うけど、結局どうするんだ?」
最後に口を開いたのが、還内府こと有川将臣。
お祭り男という呼び名がふさわしい人物であるが、
やはり還内府ということもあって一番冷静である。
「うん、じゃ、とりあえず説明していくね」
管理人は、お決まりのあのボードを取り出す。
そして、一部分を隠している紙をめくって言った。
「八月生まれへの指令:ラジオDJになりきれ」
指令を見た後、一行は場所を移した。
管理人が権力を行使して用意したあの大きな館である。
今回もいつも通り、ここから扉を開けてそれぞれの道へ進むらしい。
「着替えも済みましたね!
うん、皆さん似合ってます♪」
三人はこれから現代に行き、ラジオDJになりきるのだという。
よって、服装もそれに見合うものに着替えていた。
「向こうの世界では、これが当たり前なのか?」
怪訝そうに自分の纏っている服を見ているイノリ。
異世界の服に、少々戸惑いもあるようだ。
「でも、姫さまたちもこういうの着てたんだよな!」
「そうだよ、足往」
元気よく質問してくる足往に向かって、管理人も答える。
「まあ、俺はともかくとして……
お前ら、ラジオDJについては解ったのか?」
先ほど「ラジオDJ」というものについては、管理人から説明があった。
しかしながら異世界の人間である二人が理解できたのか
将臣は少々疑問に思っていたようで、そんなことを二人に聞いた。
「完璧ってわけじゃねぇけど……まあ、何とかなるだろ!」
「おいらもそう思う!」
「おいおい」
全く仕方ねぇな、と呆れる将臣。
だが、その様子がやはり兄貴分であることを
管理人はこっそり微笑ましく思った。
「とりあえず、みんなにはさんと一緒にDJやってもらうから」
「え、とか?」
「うん!」
聞き返すイノリに向かって、勢いよく返す管理人。
「向こうに行ったら、さんに会えると思うよ」
だからとりあえず、何も心配しないで大丈夫!
と、管理人は付け足した。
「それじゃ、向こうに続く場所まで案内するね!」
そう言いながら、管理人は三人を扉が並ぶ場所まで案内した。
「ここに三つの扉がありますが、
皆さんにはそれぞれ別の扉を開けてもらいます」
「で、結局俺はどの扉だ?」
「イノリが左の扉、将臣くんが真ん中、足往は右の扉だね」
「わかったぞ!」
一通り説明をした管理人は、最後に言った。
「それでは、皆さん。ラジオDJとして行ってらっしゃい!!」
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