遙かシリーズが十周年とのことで、お祝いをしようと思います。
でも一人一人やるのは大変だし
みんなのスケジュール(?)が合わなかったので
とりあえず月ごとに集まってもらうことにしました。
2010.4 秋月千夜
「…………ということで、あたしが皆さんを集めました!」
四月某日、都内某所にて。
ここに、四月に誕生日を迎える面々が集められていた。
管理人である秋月千夜は、その旨をその面々に伝える。
「お前が案内役ってわけかい?」
「そうだよ、ヒノエ!」
ヒノエが確認をすると、またもや管理人は元気よく答えた。
「お祝いですか……良い案ですね!」
「布都彦もそう思ってくれる?」
「俺はめんどくさそうに思うんだけどな……」
「まあまあそんなこと言わずに、天真くん!」
管理人の考えに賛成の意を示した布都彦。
それとは対称に、森村天真はひどく面倒そうな顔をしている。
「まあ、たまにはそういうのもいいんじゃないのか?」
そう言って天真を宥めたのは平勝真。
一応このメンバーの中で年長者ということもあるのか、
なかなか落ち着いた態度を見せている。
「…………そうだな」
勝真の言葉に対し、天真もしぶしぶ了承した。
「けど、具体的には何をするんだい?」
ヒノエが最もなことを管理人に聞いた。
他の三人も少なからず気になっていたのか、管理人の答えをじっと待っている。
「はい、ではこれから詳しく説明しますよ!」
そう言いながら、管理人は毎回持ち出している例のボードを取り出す。
そして、一部分を隠している紙をめくって言った。
「四月生まれへの指令:高校教師になりきれ」
あの後、指令を見た管理人たちは場所を移した。
管理人が権力を行使して用意したあの大きな館である。
どうやら今回も同じように、ここから扉を開けてそれぞれの道へ進むらしい。
「着替えも済みましたね!
うん、皆さん似合ってます♪」
四人はこれから現代に行き、高校教師になりきるのだという。
よって、服装もそれに見合うものに着替えていた。
「へぇ、これが望美たちがいた世界の服かい?」
そう言ったのはヒノエ。
一番乗り気なのはどうやら彼のようで、とても楽しそうに見える。
「着慣れぬものなので、落ち着きませんが……」
「着方は間違ってないか?」
「うん、二人とも大丈夫です!」
着慣れない服に困惑しつつも、きちんと着替え終えた布都彦と勝真。
そんなバッチリな二人を見て管理人もこっそり満足している。
「いつも制服着てるのがスーツに変わっただけって感じだけどな」
元々こちらの世界にいた天真には、あまり新鮮味はなかったようだが。
「とにかく、これを着て高校の教師をやればいいんだよな?」
俺が生徒に教えるっつーのも変な話だけどな、と天真は続けた。
「大丈夫、天真くんは体育担当だから」
「ああ、確かにそれならいけそうだな」
「ちなみにヒノエは古典、布都彦は日本史、勝真さんは数学です」
「はい……私に、人に教えることが出来るか不安ですが
自分なりに職務を全うしたいと思います」
「任せときなよ」
「なんとかやってやるさ」
やる気が満ち溢れているかと言われればうまく答えられないが、
四人ともとにかくやってみる気はあるようだ。
「あ、ちなみにさんと同じ職場ですから、その辺よろしくお願いしますね!」
「そうなのか?」
「あいつと同じ場所で働いてるのか……」
という名前を聞いたとたん、顔色を変える地の青龍・二人。
「それなら、姫にいいところを見せないとね」
「殿の足を引っ張らぬよう、頑張ります!」
そして、こちらの二人はさらにやる気を出しているようである。
「俄然やる気になってくれたみたいですね!
じゃあ向こうに続く場所までご案内しますから」
そう言いながら、管理人は四人を扉が並ぶ場所まで案内した。
「ここに四つの扉がありますが、皆さんにはそれぞれ別の扉を開けて頂きます」
「それで、どの扉を開ければいいんだい?」
「天真くんが一番左の扉、勝真さんはその隣、
そのまた隣がヒノエで、布都彦は一番右です」
「ああ、解った」
一通り説明をした管理人は、最後に言った。
「それでは、皆さん。高校教師として行ってらっしゃい!!」
→ 一番左の扉
→ その隣の扉
→ そのまた隣の扉
→ 一番右の扉
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