遙かシリーズが十周年とのことで、お祝いをしようと思います。
          でも一人一人やるのは大変だし
          みんなのスケジュール(?)が合わなかったので
          とりあえず月ごとに集まってもらうことにしました。

                          2010.9 秋月千夜




















          「…………ということで、あたしが皆さんを集めました!」



          九月某日、都内某所にて。
          ここに、九月に誕生日を迎える面々が集められていた。
          管理人である秋月千夜は、その旨を彼らに伝える。










          「お前の指示に従えばよいのか」


          「はい、泰継さん!」



          泰継の問いに対し、いつものように元気よく答える管理人。
















          「クッ……十年とは長いな」

          「節目の年なのですね、とてもおめでたいことにございます」



          十年という月日を感慨深い様子で考えている、平知盛・重衡兄弟。
          










          「問題ない」



          たった一言を口にした泰明。
          どうやら、この企画に賛成のようだ。


















          「十周年を祝うって……めんどくさいな」



          そう言って見るからに嫌そうな表情をしているのは、那岐だ。










          「まあまあ那岐、そんなこと言わず」

          「そんなことも言いたくなるよ」



          なんとか那岐を宥めようとする管理人だが、
          逆に彼の機嫌は悪くなる一方だ。















          「全く、みんなやる気になってるっていうのに……
           これ以上ぐだぐだ言ってると、千尋に言いつけるよ!」

          「うっ……」



          なんだかんだで千尋に弱い那岐は、
          「解ったよ……」とため息をついて答えた。





















  
         「じゃ、とりあえず説明していきますね!」



          そうして管理人は、例のボードを取り出す。
          そして、一部分を隠している紙をめくって言った。















          「九月生まれへの指令:俳優になりきれ」
















































          指令を見た後、一行は場所を移した。
          管理人が権力を行使して用意したいつもの大きな館である。
          今回も、ここから扉を開けてそれぞれの道へ進むらしい。















          「着替えも済みましたね!
           うん、皆さん似合ってます♪」



          五人はこれから現代に行き、俳優になりきるのだという。
          よって、服装もそれに見合うものに着替えていた。










          「妙な衣だな」



          違和感がある、といった様子で己の服を見ている泰明。
          隣に居る泰継も、同じような行動をとっている。
          















          「面白そうですね、兄上」

          「そうだな……クッ」



          もはや楽しむ気満々の銀髪兄弟である。



















          「とにかく、『俳優』という職業については先ほど説明した通りです。
           皆さんのマネージャー……えーっと、お世話係として、
           一緒にさんが行動してくれますからね!」

          「が?」



          の名前にいち早く反応したのは、なんと那岐だった。














          「というわけだから……那岐も逃げないよね?」

          「……仕方ないな」

          「うんうん!」



          那岐の返答に、満足そうにする管理人。





          ちなみに他のメンバーは、ならば喜んでといった様子だ。




















          「それじゃ、向こうに続く場所まで案内しますね!」



          そう言いながら、管理人は五人を扉が並ぶ場所まで案内した。







































          「ここに四つの扉がありますが、
           皆さんにはそれぞれ別の扉を開けてもらいます」
 
          「誰がどの扉を開ければよいのだ」

          「泰明さんが一番左の扉、泰継さんがその隣の扉、
           そのまた隣が知盛と重衡で、那岐が一番右」
        
          「かしこまりました」



          一通り説明をした管理人は、最後に言った。















          「それでは、皆さん。俳優として行ってらっしゃい!!」






          → 一番左の扉

          → その隣の扉

          → そのまた隣の扉

          → 一番右の扉



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